1995年、東京・中野 冬…… 近年の暖冬に慣れた東京は数年ぶりの大寒波の到来により、世界にその正確さを誇る交通機関も、度重なる大雪の影響で通勤客たちを悩ませる日々が続いていた。 ここ中野に科学者を両親に持ち、 今年23才になる一人の大学院生が住んでいる。 名をナオキ、「武内ナオキ」といった。 幼少よりあまり両親が家にいることが少なかったため、本人は科学者という人種を嫌っている。 が、そう言いながら彼もまた、 就職することを嫌い大学院に進んでいた。 たちこめた雲の合間から西日が淡く差し込む、 ある日の黄昏。 彼の家に両親の勤務する研究所から、 1本の直通緊急回線が入った。 ……それは、彼の両親の事故死を告げていた。 |
数分後。 外の様子は豹変していた。 突然、闇の中から今までに見たこともない異形の者〜アクマ〜が出現し、夜空へ一斉に舞い上がると共に、空は彼らによって完全に支配されていった。 こうして東京は電撃的にアクマの軍団に占領されていく。その軍団を指揮する一人の男の出現によって魔都と化した東京は、新たな秩序に基づく支配体制下に置かれていた。 月日の流れは、再び東京に冬の訪れを告げていた。 1996年、 人々はやがて各地でパルチザンを組織し、 アクマに対する明確なる反抗意思を表し始めた。 |