株主・投資家向け情報

2010年5月7日(金)決算説明会
質疑応答
Q 7  「ニンテンドー3DS(仮称)」と仮称がついているが、これはこのままいくのか。それとも、いつ頃をもって名前の変更などを考えていくのかということについて、ヒントをいただきたい。
A 7

岩田:

 今期中に発売しますと明言しているわけですから、正式名称の発表は、そう遠くない将来かと思います。

Q 8  CPU等が変わると、シリーズネームが変わるというのが過去の傾向だと思う。やはり3DSという名称は、自分から見ると違和感があり、それだけだと「ん?」という感じがする。そこも含めて、E3の辺りではある程度、名称も含めて発表があると考えていいか。
A 8

岩田:

 一つだけ明確に申し上げられることは、E3では具体的な3DSの姿をお見せしますということです。

Q 9  今後の貴社の発表スケジュールについて。添付の決算参考資料にもあるが、過去だと、新しいハードが出た時に、2005年、もしくは2006年のスケジュールを振り返った場合、任天堂カンファレンスや、ニンテンドーDSの場合だとニンテンドーDSカンファレンスという形で、秋口にカンファレンスが開かれていた。今後、どんなスケジュールで貴社の説明を受けられるかという、確認をさせてほしい。
A 9

岩田:

 発売は今期中としかお話しできておりませんので、発売の具体的な時期によって、発表会を設ける時期というのも当然変わってくると思います。ただ、実際に「この時期に発売します」となれば、発売のしかるべき前の時期に、何らかの形で、そのほぼ完成した製品を披露して、皆さんに見ていただく機会を設ける可能性は高いのではないでしょうか。ですが、それが何月なのかと今言われても、お答えのしようがありません。

Q 10  ニンテンドーDSシリーズのトータル出荷が70期で2,700万台、内数でDSi、DSi LLと書いてある中、DS Liteや初代のDSが概ね1,000万台近く売れているという事実に、改めて驚いた。DSiは累計1,800万台弱ということで、トータルの普及台数に占める割合を計算すると大体14%ぐらいになる。海外ではまだ発売されて1年ということもあり、この14%という率が必ずしも低いとは思わないが、DSiを発表した時点でのコンセプトは、「マイDS」だったと思う。カメラを付けたり音楽再生の機能があったり、メモリカードのスロットを付けたり、DSiウェアを新しく始めたりした。DSiは当然まだ現役のゲーム機だという認識は持っているが、「マイDS」というコンセプトで、「できなかったこと」「課題」「思っていた以上にうまくいっていない部分」など、もし分析されていれば教えていただきたい。また、3DSの発表・発売の時期、価格等はまだ発表されていないが、その間、現行のモデルも当然売っていくと思うが、いわゆる「買い控え」の影響についてどう考えているか聞かせてほしい。
A 10

岩田:

 まず、「なぜ3DSはこの時期に発表なのか」、3月23日に突然リリース1枚が出て発表されたことについて、違和感をお持ちになったり、「なぜだろう」とお思いになったり、いろいろ理由を考えられたりしている方が多くいらっしゃるようだと、広報やIRの担当者から聞いておりますので、その背景から少しお話ししておきます。

 E3で3DSをお見せしたいと考えましたが、その時に、任天堂しかソフトを作っていないというのは、いかがなものかと考えました。そうすると、ハードの肝になる機能については社外の方々ともお話ししないといけないわけです。しかし、私たちの経験では、情報の共有範囲を広げていくと、どうしてもうわさも広まってしまうのです。すると、私たちのコントロールできない形で情報が広がっていきやすくなります。DSからDSi、DSi LLに展開した時は、パッケージソフトの基本構造は変わりませんでしたから、早くから情報の共有範囲を広げないといけないという事情はあまりなかったのですが、今回は3DS用の新しいソフトを作らねばなりませんので、その意味で早めの情報共有が必要でしたし、しかも、今年のE3に出掛けるべきか否かとお考えの皆さんにとって、「新しいハードの発表があるなら行こうか」という方に早めに判断していただかないといけないという事情もありました。そういったいくつかの事情を考えると、これ以上引っ張るわけにはいかないだろうというタイミングが、あの3月の後半だったということです。

 当然、新しいハードを作る時というのはチャンスなわけですから、これまで私たちが「こうなっていれば良かったな」と思っていたことはいろいろやりたいと思っていますが、一方で、現役で売っているハードの「あそこがいけない」「ここがいけない」と私がここで発言することは何のプラスにもならないと思います。いろいろな心残りは常に次の商品に活かすということは開発者の性質ですので、「心の中に秘めているいろいろなことを反映するつもりです」ということだけ、申し上げさせてください。

 それから、買い控えの影響は、もちろん一切ないとは申し上げられないと思います。特に、私たちが3DSを発表したのが、アメリカでDSi XL(日本ではDSi LL)を発売する直前だったため、「このタイミングはないんじゃないか」とお考えになった方もいらっしゃったかもしれません。しかし、買い控えの影響が一切ないとは申しませんが、私はあまり大きいとは思っておりません。その背景は、「3DSが出たらすぐ欲しい」と思っていただける方は、どちらかというと新しいものが出たら早く行動される方であり、逆に既に世界中でこれだけ売れたDSを、今買っていただいている方というのは、どちらかというと新しい製品に対して行動がゆっくりな方々だと思っています。ですから、行動がゆっくりな方々中心の今のマーケットの中で、新機種の情報が出たら直ちにものすごい勢いで(DSの販売に)ブレーキがかかってしまうということは、私は基本的にはないと思っています。

 また現実に、販売の推移等を見ていても、そういうふうには感じておりません。ただ、DSiが出た後も従来のDS、DS Liteが売れているということについては、国や地域によって、お客様の行動パターンが非常に違うなと感じています。日本のお客様は非常に行動が早いです。新しいものに、社会全体のシフトが一気に進む国です。世界一そうじゃないかなと思います。それに比較的似ていて、行動が早いと感じられるのが、イギリスのマーケットです。それに対して、ゆっくりなのが、例えばドイツのマーケットです。それからアメリカも、「非常に深いマーケット特性」という言い方をしますが、(行動が早い方も多くおられる一方で)行動がゆっくりな方もたくさんおられるように思います。日本で比較的早くゲーム人口の増加が一旦止まってしまったのに対して、アメリカで増え続けているということに関しても似たような面があって、お客様の行動がゆっくり起こる国と早く起こる国の違いがあるわけです。ですから、私たちが3DSという新しい提案をした時に、DSがどれぐらい売れ続けるのかということについては、3DSと従来のDS、DSiの値段差がどうなり、お客様がそれをどう受け止められ、そして国や地域によってどういう割合になり、という状況が、恐らく国・地域によってかなり変わってくるのではないかと私は予想しています。


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