4 | 御社の従来のゲームには「子供向けのゲーム」「ファミリー層向けのゲーム」という印象があるが、今回の通信機能の拡充という点は、今までとは違ってコアなユーザー層向けではないかという感じがする。これは御社の「ゲーム人口の拡大」という目標と一見反しているような印象を受ける。 |
---|---|
4 |
岩田:
今、(質問された方の)印象としておっしゃったことは、必ずしも私たちが考えていることではありません。私たちが申し上げている「ゲーム人口の拡大」では、私は毎回必ず「年齢、性別、ゲーム経験の有無を問わず」ということを添えているのですが、ゲーム経験が豊富で非常に熱心に遊ばれる方から、ゲームのことは全くこれまで考えてこなかった、興味もなかったという人まで、幅広く私たちのお客様であってほしいと思っています。 |
5 | 据置型とニンテンドー3DSとの連携という意味では、どんなことができるのか。どんな方向性に持っていきたいのか。 |
---|---|
5 |
岩田: 据置型には据置型のメリットが、携帯型には携帯型の利点がありますので、それぞれの利点を活かしたいと思っています。ニンテンドー3DSが自宅にある据置型のゲーム機といつの間にか通信をするということも、当然将来の課題の一つだとは思いますけれども、今日の時点で「ニンテンドー3DSが据置機と連携してこのようなことをします」ということで具体的にお話しできることはございません。ただ、私たちは「常にゲーム機を持って歩くことが遊びになる」ということについては貪欲に追求したいと思いますので、据置機との連携もきっと考えていくことになると思います。 |
6 |
先ほどのプレゼンテーションの中でも、かなりネットワーク部分に注力していくと主張されていたが、海外でも似たようにニンテンドーゾーンをかなり作っていくのか。DSの「すれちがい通信」というのは海外でも日本のようにブームになったのか。 また、収益について、今までネットワークにつないで、どちらかというとハードの稼働率を上げて最終的にはパッケージで収益化するという考え方だったと思うが、そこは根本的にネットワーク部分だけで何か収益を上げていくようになっていくのか。 |
---|---|
6 |
岩田:
まず、海外の「すれちがい通信」についてです。先ほども(プレゼンテーションで)申し上げたように、ニンテンドーDSでは、社会現象になるほど遊ばれる「すれちがい通信」対応ソフトがあった時に初めて多くの方が「すれちがい通信」を体験するということが起こせたわけです。社会現象になるほどみんなが同じものを遊んで、かつ持って歩こうという動機を持っているという条件がそろった上に、人々が至近距離ですれちがう、しかも割とゆっくり移動しているという点が重要になります。日本の社会と、例えばアメリカの社会を比べますと、アメリカの方々が個人で車に乗って移動している時に、車ですれちがうスピードで一体どれだけの情報のやり取りができるのかというような問題等もあり、今まで「すれちがい通信」が社会現象になったと言えるようなことは海外では起きていません。 また、収益についてですが、私たちは、ネットワークを通じた収益というものが長いレンジでは当然大きくなるということは想定していますが、何度もこういう場で申し上げていますように、人の行動というのは簡単には変わらないと思っています。新しいことにすぐに反応される、情報感度が非常に高くて行動の早い方、「アーリーアダプター」と言われる方ばかりであれば、世の中はもっと早く変わるのでしょうが、現実には大半の方はそうではありません。ですから、今しばらくはパッケージが主流だと私たちは思っています。ただ、パッケージの価値を高めたり、今までにない面白さが社会の話題になったりするという点でネットワークの要素は非常に重要だと思いますから、そういう使い方を積極的にしていきたいというのが現在の考えです。 |