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2011年1月28日(金) 第3四半期決算説明会
質疑応答
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Q 4

 3DSの携帯電話機能について。3DSに3G(*1)機能を搭載することは検討されたと思うが、実装されなかったのは携帯キャリア側と折り合いがつかなかったからか。キンドルのようなビジネスモデル(*2)を検討されたとしても、3DSに無料で3G機能を載せられるわけがなく、また、契約するのに説明が必要であるし、本人証明も必要ということで、御社のゲーム人口の拡大という方針に合わず、さらに、キャリアが端末を買い取る形になり、販売量をコントロールできないといったデメリットもあったのではないかと思うが、3DSに3Gを載せなかった理由を教えてほしい。

(*1) 3G=第3世代携帯電話のこと。ゲーム機に3G機能を搭載することで無線LAN等を使わずにインターネットに直接接続できるようになる。
(*2) キンドルのようなビジネスモデル=キンドル(アマゾン社の電子書籍端末)には「ウィスパーネット」と呼ばれる3Gによる通信機能が内蔵されており、電子書籍をダウンロードする際、通信費が電子書籍代に含まれているため、ユーザーに通信費の負担を感じさせない。
A 4

岩田:

 まず、3Gについて何の研究もしていなかったら、われわれは怠慢だと思うので、研究をしていることは否定いたしません。あらゆることをわれわれは当然研究します。ただ、そのことと、実際に採用するかどうかとは、これは全く別の話で、「研究した以上はいつか必ず採用するんでしょ?」と言われても、それは「分かりません」としか申し上げられません。
 以前から私がずっと申し上げていることですが、娯楽と、月額でずっと定額が必要だというものとの相性は、私はあまり良くないと思っているんです。もちろん、それでもその機能を欲しいという方がいらっしゃらないわけではないんですが、われわれは少しでもたくさんの方にわれわれの提案するものを受け入れていただきたいと思っている会社ですから、その意味では月額の料金というのが固定で発生するという時点でなかなか選択肢にはしづらいと思います。当然、大昔に比べますと、そういう機能を実装するための費用(ハードウェアの製造原価等)というのは、これからも下がっていくと思いますが、(ゲーム機が3G機能を搭載するために乗り越えなければならない問題の本質は)ハード的な原価の問題ではないと思うんですね。むしろ、「お客様の(通信料金)負担の問題を含めて、お客様の期待に沿ったことは本当に実現できるのか」というところにポイントがあると思っています。

Q 5

 ギガバイト単位のデータをダウンロードすると、恐らく数万円のパケットコストが発生すると思うので、それも考えるとコンテンツに上乗せするようなモデルというのは次世代までとりにくい、というようなイメージを持っているのか。

A 5

岩田:

 少なくとも、キンドルの場合は電子書籍というテキストベース中心のものであるために比較的データ量が少なくて、そうであるがゆえにキンドルの「ウィスパーネット」(Q4 *2参照)モデルというのが成立していると思います。リッチなグラフィックスやサウンドをたくさん抱えたコンテンツをやり取りするとか、動画をどんどん流すとかいうことを3Gの機能を使って実現することについては、現状まだ(お客様が経済的負担を感じられずにすむような)答えが見つかっていません。なので、われわれはニンテンドー3DSでは、「いつの間に通信」や「すれちがい通信」にエネルギーをかけることにしたわけです。

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