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2011年1月28日(金)第3四半期決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文
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本日は、お忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。社長の岩田でございます。
決算の数字につきましては、先ほど、専務の森からお話しさせていただきましたので、私は、世界のゲーム市場における昨年の年末商戦の状況、ならびに、任天堂の今後の展開についてお話しさせていただきます。


まずはじめに、世界のゲーム市場における昨年の年末商戦の状況についてですが、昨年10月末の経営方針説明会の際に、私は「今年は例年以上に年末集中の度合いが強まると予想しています」とご説明いたしました。しかし、その頃には、ニンテンドーDSもWiiも前年実績をかなり割り込んでいましたので、ゲーム業界に携わっておられる多くの方は「ハードの値下げをするわけでもなく、2009年末の『New スーパーマリオブラザーズ Wii』のような1本で局面を変えるようなソフトがあるわけでもなく、また携帯型では年明け早々にニンテンドー3DSが発売されるということが既に発表されている環境で、任天堂の考えているようなシナリオで年末商戦が進むことは予想しがたい」と感じられ、「任天堂が年末に盛り返すのは難しいのではないか」と予想されていたように感じました。
これから、実際の年末商戦の状況について、ご説明したいと思います。


まず最初に、日本の市場についてお話しします。


これは、昨年の日本のソフト販売上位20位までのヒットチャートです。
12タイトルが任天堂プラットフォームです。任天堂プラットフォームのソフトは、前年以前に発売されたものが複数含まれていますが、他社さんのプラットフォームでは、ヒットチャートの上位に来るのはほとんど新作です。これは、世界的な傾向と言えると思います。
ここに載っているWiiのヒットソフトは任天堂発売のものばかりです。一方で、海外では、昨年いくつかソフトメーカーさんのWii向けのヒットソフトが生まれて、ヒットチャート上位に載っているんですけれども、これは、ソニーさんのPSPのタイトルが国内では目立つのに海外ではそうでないというのと、ちょうど対照的な状況と言えると思います。後でご確認ください。


これが、日本の据置型ハードの販売推移です。
10月時点では、Wiiの週間販売数は前年実績の半分以下という状況が続いていましたし、ソニーさんのPS3に対しても2倍近いリードを許していましたので、この時点で、年末にWiiが一定以上勢いを取り戻すということを予想していた方はあまりいらっしゃらなかったようです。
11月の2週目にWiiの販売数が増えましたが、これは、スーパーマリオ25周年記念のWiiの赤ハード発売によるものです。これをきっかけに状況が変わり、12月に入ると「集まればWii」キャンペーンの効果が現れて、販売が大きく伸びました。12月後半にはPS3の約2倍のペースで売れる、という状況となり、事前にはWiiにあまり期待されていなかった日本の流通関係のみなさんがたいへん驚かれていたそうです。
しかし、前年の2009年には、『New スーパーマリオ』が爆発的に売れましたし、PS3にも、『ファイナルファンタジー』が発売されていましたし、後ほどお話ししますが年末はカプコンさんの『モンスターハンター』がPSP向けに発売されたこともあって、前の年と比べると、据置型ハードの年末商戦の盛り上がりはあまり大きなものになりませんでした。


これは、日本における据置型ハード年間販売数の過去3年間の推移です。
週の区切りの都合で、2009年は53週間、2010年は52週間の集計になっていますが、それを考慮しても、2010年、据置型のハードの販売台数は、前年に対して2割以上減少する大きな落ち込みとなりました。
ただし、意外に思われるかもしれませんが、据置型ハードの販売シェアで見ると、Wiiの市場シェアは前年より1%増えています。昨年、日本では、据置型ハード市場全体が縮小してしまったという状況です。


こちらは、日本の据置型ソフトの年間販売本数の3年間の推移です。
秋の時点では、ソフトの販売本数が前年対比プラスになっていたのですが、年末にビッグヒットがあった2009年と異なり、2010年にはそういうソフトがありませんでしたから、ソフトの販売本数も、前年に比べて1割以上減少してしまいました。


3年間の推移を見ると、Wiiは若干下がって、PS3の市場シェアが大きく伸びていますが、これはちょうどPS2の市場シェアがこの2年でほぼPS3に置き換わったという状況と言えると思います。


こちらは、日本の携帯型ハードの状況です。
カプコンさんの『モンスターハンター』が大ヒットしたことで、日本の携帯型ゲーム市場では、ソニーさんのPSPが大変元気です。この点では、日本とそれ以外の市場で大きく状況が異なるようです。『モンスターハンター』の発売週のPSPハードの販売数は、PSP発売後6年の歴史の中で、1週間の販売数が最も大きかったそうです。
一方で、ニンテンドー3DSの発売が目前に控える中で、ニンテンドーDSの販売も12月に入ってから週を追うごとに伸びました。2009年の年末商戦には、ニンテンドーDSi LLという新製品があったことを考慮すると、12月に入ってからの販売数の伸びは、前年に近い水準になったのではないかと思います。


これは、日本の市場における2008年から2010年までの携帯型ハードの販売台数を比較したものです。
DSやPSPの発売から6年が経過し、ニンテンドー3DSの発売を昨年内に間に合わせることもできませんでしたから、ハードの販売は前年に対して減少しています。DSが前年に対して減少したのに対して、PSPは『モンスターハンター』のヒットもあり増えましたが、それでも2年前と比較すると、どちらも2割以上減少しています。


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