7 | 御社は「ゲーム人口の拡大」という、非常に大きな戦略を持っているが、ターゲットとするユーザー層について改めて教えてほしい。当然ながら、製品価値というのはユーザーが判断し、ユーザーのその価値と製品サービスの機能をいかに融合させられるかというのが業績の決め手であり、需要を創り出す決め手と考えるが、御社がターゲットとしている消費者像というのは今どうなのか、そこに変化があるのかどうか、消費者がおかれている立場や状況を岩田社長はどう見ているか。 |
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7 | 岩田: まず、「ゲーム人口の拡大」という大きな目標は、継続的に目指していく価値があり、そして、今後も「ゲーム人口の拡大」を実現できれば、市場がより大きくなり、ビジネスが拡大でき、結果、任天堂の業績にとってもプラスで、株主の皆様にも還元ができるはずだと信じていますので、今後とも「ゲーム人口の拡大」ということは基本的な軸としておきたいと思っています。 一方で、「ゲーム人口の拡大」というのは「カジュアルユーザーやライトユーザー一辺倒の商品づくり」なのかということについては、特にWiiやニンテンドーDSのある段階でそういう誤解が生じてしまったこともあって、私たちは「いろいろな嗜好のお客様にお応えできるようなゲームを作ろう」と努力をしてきましたけれども、それがあまりうまく伝わらずに、一般的な理解でいうところの、「任天堂のゲーム機にはコアユーザーが少ない、いない」という、実際はそんなことはないのですが、そういう一般認識のようなものが存在していると思います。 改めてユーザー層とはどういうものなのかというと、「ゲーム人口の拡大」を遂行していくというのは、いろいろな嗜好を持たれるいろいろなお客様、すなわち、年齢、性別、ゲーム経験の有無や好みもさまざまなお客様のニーズにお応えできるようにソフトを提供していくことです。それは当然、任天堂一社ですべてを提供することはできませんので、いろいろなソフトの作り手のみなさんと協力し合ってそれを実現していきます。その中で、さらに、もっと重要だと私が思っていますのは、人の嗜好というのは、最初から決まっているわけではなくて、変化していくということです。必ず初心者からコアゲーマーとして育っていくわけで、生まれついてコアゲーマーの人はいないのです。初心者の入り口、初心者から中級者になるための方法、中級者が本当に上級者になっていくための方法というものが全部繋がっているような流れを作れませんと、ゲーム産業というのはいずれ、それができなくなった時点でだんだん縮小してしまい、最後には先細っていくということになります。ですので、いかにその流れを作るかということなのですが、どちらかというと『Wii Fit』や『脳トレ』で起こった象徴的な出来事として、「ゲームをしない人がするようになりました」という部分だけがことさらに取り上げられまして、現実には例えば『脳トレ』や『Wii Fit』でゲームを始めた方が、気がついたら『ドクターマリオ』を遊び、気がついたら『New スーパーマリオブラザーズ Wii』を遊ぶようになったという事例はすごくたくさんあるのですが、それは目に見えにくいものですから、結果として「ゲームをしない人がするようになりました」という部分だけが強調されて、「そういうお客様が嗜好を変えていかれて、遊ばれるゲームが変わっていく」という部分を十分にお伝えできなかったので、そこを何とか改善したいと思っています。 先ほど、別の方のご質問にありました、ソーシャルメディアをどう活用するのかという話とも繋がってきますが、所詮、私たちは製品の作り手であり売り手ですので、お客様に対して私たちがどれほど努力し、ご説明したとしても、「いや、あなたは製品を売りたいからそれをおすすめしているんでしょ?」という目でご覧になるお客様もいらっしゃるので、そういう方々に新しい可能性に興味を持っていただき、そして先ほどのいろいろなゲームの嗜好別の壁が崩れていくとか、熟練度の壁が崩れていくためには、実はお客様同士の教え、教えられ、という関係ができることが非常に重要だと思っています。また、ソーシャルメディアというものとゲーム機との関係がもし今と変わっていって、もっとうまく連携できるようになったら、そういうことがもっと起こりやすくできるのではないかということも同時に感じています。そういう意味では「ゲーム人口の拡大」というのは非常に幅広いお客様、あらゆるお客様といってよいかもしれません、を対象とする考え方で、その中で「それぞれの人たちに満足いただけるようなソフトをどう定期的に用意していくか」というのが任天堂の課題です。 |
8-1 | ニンテンドー3DSのユーザー層は、ハードの値下げを行ってから変わってきていると思う。最初は任天堂ファンの方、コアゲーマーの方が買われて、ハードの値段が下がったことによって買いやすくなったということで、どんな変化が現状起きているのか。それから地域別に、日本では『モンスターハンター3(トライ)G』があってかなりいろいろな層にアピールできそうだと思うが、逆に欧米はどうしても『スーパーマリオ 3Dランド』と『マリオカート7』の2本が突出して目立ってしまう状況に見える。日本で見られるような、すべての層にアピールできるような戦略というのが、今後欧米でも出てくるのか。 |
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8-1 | 岩田: まず、ご指摘いただいたように、ハードの値下げによってお客様の層が変わってきたのは事実です。具体的に言いますと、以前はやはり2万5,000円のハードをクリスマスでない時に買っていただける方、すなわち、ご自身で自由になるお金が比較的多く、具体的には働かれている方でゲームの好きな男性のお客様が多いというのが当初の状況でした。もちろん、任天堂のことをご評価いただいているファンの方は、当然年齢性別問わず、最初からお付き合いいただいているわけですが。 値下げ以降は、まずお子さんが増えました。それから女性が増えました。これははっきりとクラブニンテンドーなどのデータで表れています。また、先日「ミスティピンク」のハードが出ましたけれども、ここでまさに女性のお客様で「待ってました」という方がおられたと思うのですが、クラブニンテンドーの登録者というのは多少男性寄りにバイアスがかかっているのですが、それでも登録者は女性の方が圧倒的に多く、恐らく(「ミスティピンク」本体を)購入された方の4分の3以上が女性だったと思います。また、同時に買われたソフトを見ますと、他の色のハードで現在一番なのは『ゼルダ伝説 時のオカリナ3D』ですけれども、ピンク色のハードだけは、最上位は『nintendogs + cats』です。このように、全く傾向が違うんですね。あと、『レイトン教授と奇跡の仮面』が上位にきたり、はっきりと嗜好の違う方に広がってきたという手ごたえがあります。女性や低年齢層にも売れるようになってきたというのは、これは欧米とも共通の傾向です。ただ、そうは言っても、(大多数の)お子さんたちがゲームのハードを買ってもらえるようになるのは、やはり誕生日かクリスマスか、お年玉で自分で買うか、ということが大きなポイントとなりますので、まだその層がものすごく本格的に動いているわけではありません。ただ、最近「クリスマスプレゼントにはニンテンドー3DSが欲しい」というお子さんが非常に増えてきたというのは、いろいろなところで定性的にも定量的にも分かってきましたので、これは私たちが年末に強気な見通しをしている要因の一つです。 それからもう一つ、「日本には『モンスターハンター3(トライ)G』があるが、海外にはないので、ある意味マリオのソフトだけではアピールしきれないお客様の層があるのではないか」というのは、もちろんご質問としては大変よく理解できます。一方で、こういう質問が出てくるのは、やはり日本ならではという気もいたします。 日本にはどちらかというと「マリオは子供っぽい」というイメージがあるのだと思います。これは、私が社長になって2年目だったと記憶していますが、日本のお客様を対象に調べた時に「マリオって子供っぽい」という調査結果が出ました。任天堂は、子供さんに人気があるのは嬉しいのですが、(大人のお客様に)「子供っぽいので自分とは関係ない」と言われるのは非常に課題があると感じました。この点、実は今ではかなりイメージが変わってきました。当初は、「3Dのマリオは子供っぽいけど、2Dのファミコン時代のドット描画のマリオはクールだ」というのが日本の調査結果でした。ファミコン20周年であるとか、昔の『スーパーマリオ』をゲームボーイアドバンスのソフトにしてリメイクしてきたことなどを積み重ねていった結果、『Newスーパーマリオブラザーズ』が出た時にニンテンドーDSで大爆発できて、久しぶりに日本のソフトであれだけ数が売れるものができ、初代スーパーマリオ以来の販売数量になりました。その意味ではマリオは、大人も子供も共通して受け入れていただくものになっていると思います。
それでもやはり、任天堂の支持率の低い年代というのがありまして、それは中学生、高校生、大学生の男性のみなさんです。ですから、任天堂のお客様のプロポーションを見ますと、フタコブラクダのようになっていて、お子さんのところに一回山があって、高校生・大学生ぐらいで一回へこみがあって、そこから上の年代になるとお客様が増えるという構成になっています。日本においては『モンスターハンター3(トライ)G』がそのへこみの部分のお客様にアピールするのに非常に相性が良いはずなので、その点でご評価いただいていると思うのですが、では海外ではそれがなくて大丈夫かという点は、実はそのへこみがアメリカにもヨーロッパにもありません。 |
8-2 | 海外でパブリッシャーからコアゲーマー向けのニンテンドー3DS用ソフトは来年には発売されるのか。 |
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8-2 | 岩田: 当然そのようなタイトルというのは、開発に時間がかかります。そして、日本は既にゲームビジネス全体の中で据置型ゲーム機の割合より携帯型ゲーム機の割合の方が大きい状態で推移していますから、日本のパブリッシャーさんにとっては、携帯型ゲーム機が主戦場です。ところが、欧米のパブリッシャーさんにとっては据置型ゲーム機が主戦場ですから、携帯型ゲーム機への開発人員、チームの割当の優先度というのは、やはり市場ができてからでないと動かしにくいようです。ニンテンドー3DSの初動が良ければ、「こういうタイトルがいつ出ます」ということが既にどんどん発表されていたのでしょうが、初動が良くなかった関係で、一度みなさんが「様子見をされた」と思います。 これはまた今変わりつつあり、(この年末商戦の結果を経て)来年以降、状況が変わっていくと思います。 それからもう一つ、日本のソフトメーカーさんにとって、ニンテンドー3DS用に供給される良質なソフトというのは、海外進出の大チャンスだと思います。任天堂のソフトは日本で作ったものが世界で売れているわけですから、日本のソフトメーカーさんの作られたソフトの中で、海外のニーズに合う、市場ポテンシャルのあるものを見つけて、お手伝いしてヒットさせるということも任天堂の大事な仕事だと思っています。よって、そういう両面から、来年海外でのラインアップを充実させていくということで、それが来期の収益回復への見通しの一つの要因になっています。 |
9 | 外から見ると御社の課題が二つある。一つは、技術やニーズに対する目利きが弱くなっているように感じる。例えば、ゲームに3D自体が相性が良くないのではないかと思う。もう一つは、時代の流れへの対応スピードをもっと上げる必要があると思う。具体的には、ソーシャルゲーム時代に対応できていない。その辺について、岩田社長はどう認識しているか。 |
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9 | 岩田: まず、ゲームと3Dの相性が良くないかどうかは、ぜひ『スーパーマリオ 3Dランド』と『マリオカート7』をご体験いただいて、もう一度ご意見をお聞かせいただければと思います。これは私たちの自信作ですので、100人いたら100人の方が「3Dは素晴らしい」とおっしゃるかどうかは私は分かりませんが、世の中の大多数の方に「3Dはなるほどこう使うのか」ということを言っていただけるのではないかと思います。 一方で、「なぜこれらのソフトがハードの発売時期になかったのか」ということについては、全くその通りだと思います。すなわち、3Dというものを世に問うのであれば、こういったソフトが一つ、ハードの発売時に必要だったと思います。よって、そういうものと同時にご提案できなかったので、誤解が解けず、その上、(3Dの魅力は)実際に体験していただかないと伝わらないために、「あれは目が疲れるらしいよ」、「あれは遊ぶと頭が痛くなるらしいよ」、「あれは目に悪いらしいよ」という話が(3DSを未体験のみなさんに)伝わる力の方が、商品の魅力が伝わる力より強くなってしまいました。その点において考えが足りなかったということはあるかもしれません。ですが、この年末年始にこれらのソフトが世の中に出て行くことで、3Dの価値を認めていただけると思います。また、当然個人差がありますので、3Dボリュームというものの存在で人それぞれの好みに合わせて調節していただけるようになっています。 技術やトレンドの目利きというのは、任天堂にとってある種「生命線」でございまして、それが読めなくなっているとしたら、それは任天堂は任天堂でなくなってしまうということなので、ぜひご評価いただけるように努力したいと思います。 それから、「ソーシャルゲーム時代への流れが読めなかったので対応が遅れたのではないか」というご指摘は、「任天堂がソーシャルゲームに取り組んでいない」ということをおっしゃっているのか、それとも、「スマートフォンが世の中にこれだけ普及する時代にそもそもゲーム専用機は必要なのか必要でないのか」といった話や、それから「ソーシャルネットワークサービスの可能性を任天堂がこれまでうまく活用できていなかったのではないか」という話や、いろんな要因があると思うのですが、今どういうスタンスなのかということをお話ししておきたいと思います。 一つは、最近の任天堂について世の中で書かれている記事の論調で私がよく感じることなのですが、「ソーシャルゲームの影響とスマートフォンの影響というのは、混同されて論じられている」ように思います。これは本来は分けて議論されるべきことだと思います。例えば、今日本で好調なソーシャルゲームのビジネスというのは、その大部分は、まだスマートフォンの上で動いているわけではなくて、従来の日本では「ガラケー」などという言葉で呼ばれ、最近は「フィーチャーフォン」と呼ばれている多機能型携帯電話の上で動いているものだと理解していますけれども、その二つの影響が混同されているように思います。 ソーシャルゲームの影響に関しては、任天堂の業績が下り坂になったタイミングと、ソーシャルゲームが急速に普及したタイミングが重なりましたので、これは因果だととらえておられる方が非常に多いと思います。ですが、私たちの業績が下り坂になっていることに対して大きな要因だとは私たちは考えていません。これは以前から繰り返しお話ししています(※)ので、あえて同じ説明を繰り返すつもりはありませんが、その後も繰り返し調査をし続けていますが、ソーシャルゲームを遊んでいるかいないかで任天堂の携帯型ゲーム機に対する遊び方の態度や頻度が変わるかというと、そういう有意な差がある統計データが出てきませんので、因果はないと思います。ゲームビジネスというのは「ヒットソフトが出せるかどうかで勢いが大きく左右されるビジネス」ですから、複数のヒットが立て続けに出ることが期待される今年の年末商戦を通じて、私たちの方に流れを引き寄せることができると思いますし、ソーシャルゲームの成長、発展が任天堂の業績と直接因果がないことを多くの方々に納得していただけるような、そういう証明ができるような結果を、今年の年末商戦にぜひ出したいと思っています。 次に、スマートフォンについてです。日本では今年、スマートフォンが急激に普及するサイクルに入ったと思います。アメリカでは少し早くそうなっていたと思いますが、これは特に若い世代の方を中心に、今は現代人の必需品のような形で、「新しく携帯電話を機種変更するならスマートフォンにするのが普通になってきた」ように思います。ゲーム機を購入しなくてもゲームが遊べますし、ゲームソフトが無料であったり、非常に安い価格で提供されるということになりましたので、ゲームに対して数千円を投じていただくことのハードルが以前より高くなっているということについては、間違いない事実だと思います。一方で、10年ほど前に携帯電話でアプリケーションが動かせるようになって、ゲームが供給されるようになった時に、「こういうことができるようになったら、いずれ携帯型ゲーム機はいらなくなりますよね」ということをおっしゃっていた方はたくさんいらっしゃいましたが、現実的にはそうなりませんでしたし、その時と今回は、根本的な構造は一緒だと思います。任天堂は、「ゲーム機というのはどうしても遊びたいソフトを遊んでいただくために仕方なく買っていただくものだ」という認識でいますから、そういうどうしても遊びたいソフトを定期的に提案できるようにすることが最も重要で、これは以前と環境が変わったというわけではないと思います。むしろ逆に、先ほども申し上げたように、スマートフォンという情報を伝える上で非常に有用な手段が新しくできたので、これをどう活用させていただくかということを考えている段階で、それが『ニンテンドーeショップ』のWeb化などとも繋がってきます。 それと、「スマートフォンがあればもう携帯型ゲーム機なんかいらないのではないか」ということについて、そう感じておられる方が一人もいないとは申し上げませんけれども、調査の結果としては、スマートフォンの有無で携帯型ゲーム機のプレイ動向に大きな差は出ていません。スマートフォンでは実現できないようなゲームをニンテンドー3DSでご提案し、それが十分に魅力的だったら、ニンテンドー3DSを買っていただくことができるはずなので、私たちはそこをハード、ソフト一体にとらえて提案していくということだと思います。 ちなみに、私は今まで「任天堂が調べたデータです」と言ってデータをお示ししてきたのですが、「それではひょっとすると説得力がないのかもしれない」と考えましたので、今日は(最近米国任天堂から報告があった)別のデータをご紹介しておこうと思います。アメリカにEntertainment Software Association、略してESAという団体があります。日本におけるCESA(Computer Entertainment Supplier's Association)のような位置づけの団体で、娯楽ソフトを作っている会社が集まって作っている業界団体です。そこが、インタラクティブ・エンターテインメントのハードとソフトに関する調査というのを毎年行っていまして、これは今年の4月の調査なのですが、3年前と比べてゲームを遊んでいるかどうかを示しています。濃い青色が3年前より遊んでいる、薄い水色が遊ぶ頻度が減ったことを示しています。一番上のトータルはお客様全体で、1,300人あまりが対象になっています。上から2番目にあるDedicated Consoleとは据置型ゲーム機で、Wii、プレイステーション3、Xbox 360などがその例で、この調査対象人数全体の中で3分の2の方が含まれます。それから、その一つ下がPCで、この調査対象のほとんどの方が所有しています。さらにその下にDedicated Handheldというのがありますが、これがニンテンドーDSなどの携帯型ゲーム機です。その下のWireless Deviceというのは、iPadとかiPod touchなど(Wi-Fi接続ができてゲームが遊べるデバイス)です。一番下のSmartphone、これがiPhoneやAndroidを表すとお考えください。(Dedicated Handheld、Wireless Device、Smartphoneのグループには、それぞれ調査対象人数全体の3分の1ずつの人数が含まれており、複数の種類のデバイスを所有する方は複数のグループに属しています。) ここで注目いただきたいのは、3年前よりもゲームをより遊んでいると答えたお客様の割合で、実は携帯型ゲーム機のお客様が一番大きくなっています。これはみなさんのイメージとだいぶ違うのではないでしょうか。ちなみに、「これはゲームを遊んでいるかどうか」を尋ねたものですので、このDedicated Handheldのお客様は、ニンテンドーDSだけをお持ちなのではなくて据置型ゲーム機もお持ちの場合があるでしょうし、恐らくアメリカで一番遊ばれているのは、むしろ(携帯型ゲーム機以上に)テレビに接続する据置型ゲーム機の方なので、そういうことも含めて考えていただきたいのですが、(スマートフォンの普及が日本より早く進んでいるアメリカでは)一般的にイメージされる「携帯型ゲーム機不要論」とは全く反対の調査結果が出ています。 同様に、同じ調査対象者に、今年4月の時点で「今年何本ゲームソフトを買う予定ですか」ということを調べたものです。3本から5本が水色で、6本以上というのは紺色です。ここでも一番多いのが、Dedicated Handheldのお客様です。ということは、携帯型ゲーム機を持っておられる多くのお客様は同時に据置型ゲーム機もお持ちですが、両方でアクティブに遊ばれていて、デジタル時代になったので、ゲーム専用機のパッケージソフトを買うということが、どんどんなくなって、購入予定本数が落ちていっているわけではないということです。もちろん、全体としてデジタルビジネスの重要性が増していくのは間違いはありませんけれども、単純に「パッケージが下がってデジタルが上がる」、「ゲーム専用機がダメになって汎用機が上がっていく」という構図でお客様が動かれているのではないようです。それは、もっと長い20年といったレンジで見た時にどうなるのかというのは全く別の話かもしれませんが、トレンドとして見た時に「任天堂のゲーム業界全体あるいはお客様の行動に対する認識が現実と大きくずれている」とは必ずしも考えていないのですが、それについて一つの根拠になるデータになるのではないかと思いましたので、ご紹介させていただきました。 |