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2012年1月27日(金)経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

こちらは、日本の携帯型ハードの販売推移です。
発売10カ月で3つのミリオンセラーが誕生という、史上最速の記録となったニンテンドー3DSが、ごらんのように昨年末には『脳トレ』ブームの2005年末のニンテンドーDSハードに匹敵するほどの大変大きな盛り上がりになりました。先ほどの据置型ハードと比べていただくと、盛り上がりの違いがおわかりいただけると思います。
ちなみに、2010年には、カプコンさんの『モンスターハンター』がPSP向けに大ヒットしたことで、ソニーさんのPSPが大変元気でしたが、その時と比較していただいても、昨年末のニンテンドー3DSの勢いが圧倒的な存在感であることがおわかりいただけると思います。
日本市場でこれだけの盛り上がりが実現できたのは、8月の値下げ以降、9月の「ニンテンドー3DSカンファレンス」、10月の「ニンテンドーダイレクト」が提供できた話題性も含めて、勢いの良い状態を持続し、市場が高い活性を維持したまま、11月以降に有力タイトルを連続投入することができたからではないかと分析しています。

 


こちらは、日本のハード市場の過去3年の販売台数の推移です。昨年のニンテンドー3DSの存在感がおわかりいただけると思います。ハードの販売数は、このところ年々減少していましたが、昨年は、ニンテンドー3DSの年末の爆発的な伸びによって、前年対比でプラスになりました。
日本の市場は、ハード全体の販売に占める携帯型ハードの割合が非常に高いのが特徴で、他の市場とは異なるユニークな状況になっています。

 


ソフト市場については、昨年前半のヒットソフト不足によって、特に携帯型のソフト販売本数が大きく減少しています。ソフトの販売は、ハードの普及に遅れて伸びていきますから、新しいハードがある程度普及するまで、ソフトの市場が一時的に小さくなってしまいますが、昨年は、その端境期に入ってしまいました。

 


次に、アメリカの市場についてお話しします。

 


これは、据置型ハードがアメリカ市場で毎月どのように売れているか、1週間あたりの数値にして比較したグラフです。以前から繰り返しお話ししていますが、アメリカでは、第三者集計機関のNPDは月に一度しかデータを出しませんし、4週間で1カ月と扱う月と、5週間で1カ月と扱う月があるので、1週間毎の平均にすることで推移を見ているものです。濃い色が2011年、薄い色が2010年です。
ごらんのように、アメリカでは、マイクロソフトさんのXbox360が大変元気で、1年を通じて市場をリードしました。WiiとソニーさんのPS3は、年間を通じた販売数がほとんど同じでしたが、販売数ではWiiが僅差で上回りました。
例年12月に大きく販売を伸ばしてきたWiiですが、昨年は、『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』が高い評価をいただきましたが、対象とするお客様を大きく拡大することはできず、また、12月のソフト販売数ではWiiが最もソフトが売れたプラットフォームにはなったものの、新規に幅広い層にアピールできるソフトを自社からご提案できなかったこともあって、12月のベストヒットソフトとなったUbisoftさんの『JUST DANCE 3』を除き、年末商戦期に爆発的に販売できたWiiソフトがなく、12月にはトレードマーケティングの活動の中心をニンテンドー3DSに置いていたことなどの影響もあって、Wiiハードを例年のように伸ばすことはできませんでした。
ただし、Wiiに限らず、全ての据置型ハードで、昨年12月の実績は前年を下回っており、今、据置型には、新たな提案が求められていると言えるのではないかと感じています。

 


こちらは、携帯型ハードがアメリカ市場で毎月どのように売れているか、NPDのデータを元に、1週間あたりの数値にして比較したグラフです。
5月から7月にかけて失速していたニンテンドー3DSは、年末商戦の主役となり、大きく販売を伸ばしたことは、先ほど、発売からの普及ペースのところでお話ししたとおりです。ちなみに、このライン()は、ニンテンドー3DSとニンテンドーDSの両方を合計した数字ですが、11月、12月と、前年のニンテンドーDSの実績に届きませんでした。
アメリカで、年末にニンテンドー3DSは売れましたが、日本のような水準の盛り上がりにはならなかった背景としては、日本と異なり、9月、10月に勢いを維持できず、活性の高い状態で年末商戦に入れなかったことが原因ではないかと考えています。

 


これは、アメリカのハード市場全体の過去3年間の推移です。このところ縮小気味とはいえ、アメリカは日本の2.5倍の台数のハードが売れる巨大市場です。日本と異なり、ハード市場の主役は、携帯型ではなく、据置型です。
任天堂ハードが、他社さん以上に減少してしまいましたが、携帯型では圧倒的なシェアであり、ハード全体の販売台数でも1200万台以上とトップを保っています。

 


こちらは、アメリカのソフト市場全体の過去3年間の推移です。
アメリカのソフト市場の規模は、日本のソフト市場の4倍以上の規模があり、また、日本と比較すると極端に据置型中心の市場になっています。
ニンテンドー3DSのソフト市場は、2つのマリオタイトルが発売された年末まで、あまり活性化できませんでしたので、ハード市場での存在感の割に、ソフト市場における存在感はまだ小さいですが、今年は、大きな伸びが期待できます。

 


最後に、ヨーロッパの市場についてお話しします。

 


これは、ヨーロッパの据置型ハードの販売推移です。ヨーロッパ各国の調査会社さんが発行するデータを元に、任天堂でヨーロッパ全体の販売数を推定したものです。
最終的にヨーロッパ全体で、12月にはWiiは最も売れた据置型ゲーム機になったのですが、前年と比較すると、Wiiの年末商戦の立ち上がりが遅かったこと、ピークが低かったことがおわかりいただけると思います。

 



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