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2012年1月27日(金)経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

これは、ヨーロッパの携帯型ハードの販売推移です。
先ほどもお話ししたように、ニンテンドー3DSは年末に一気に販売ペースが加速し、12月には、ヨーロッパ全体で最も売れたゲーム機になりました。また、ニンテンドー3DSとニンテンドーDSの合計では、ピーク時には前年を上回っているのですが、このグラフの43週目から46週目のあたりは、前年を大きく下回っており、Wiiと同様に、年末商戦の盛り上がりが遅かったことがわかります。

 


これは、ヨーロッパの主要4カ国のハード市場の過去3年間の推移です。ヨーロッパ全体の傾向を見るため、イギリス・ドイツ・フランス・スペインの4カ国の集計で示したものです。
ヨーロッパにおける携帯型・据置型の比率は、日本とアメリカのちょうど間になります。
昨年のヨーロッパのハードでは、1年で同じくらいの規模売れたハードが、ニンテンドー3DS、PS3、Xbox360、Wiiと存在し、どれもが絶対的なマーケットリーダーになれない結果でした。

 


こちらは、ヨーロッパ主要4カ国のソフト市場における販売本数の推移です。
ヨーロッパでは、このところ、携帯型のソフトに大きなヒットが出ておらず、特に携帯型ソフトの減少が大きくなっています。
ソフト市場を全体で見ると、携帯型ソフト販売本数の減少が原因となり、ソフト販売本数は2年連続で減少しています。

 


今期は、非常に厳しい円高を含む経営環境の大きな変化、そして、ニンテンドー3DSの発売後の推移が当初のシナリオ通りにならずに、あるべき普及の軌道に戻すために大幅な値下げをしたこと、今期の前半に有力タイトルがタイムリーに発売できなかったことなどが重なって、 任天堂がゲームビジネスを始めて以来、最も厳しい業績となる見込みです。
来期以降の任天堂が、このような厳しい経営環境の元で、いかにあるべき利益の出せる状況に戻せるか、その展望が問われていると思いますので、いくつかお話ししたいと思います。

 


まず最初に、今期の当社収益において最大の問題であったニンテンドー3DSハードの採算性についてですが、来期の前半には、ハードの逆ざやを解消するメドは立ちましたので、そのことをまず、ご報告しておきたいと思います。

 


また、ニンテンドー3DSが昨年の年末商戦で、世界中で普及のペースを大きく上げ、ニンテンドーDSやWiiの初年の普及ペースを上回るような結果を出したことは、業界内で、驚きを持って迎えられ、ソフトメーカー各社のみなさんのマインドにも、良い方向の変化があり、対応ソフトの充実に向けて手応えを感じています。
具体的なタイトルは、それぞれのソフトメーカーさんから発表されますので、ここで、私から個別のタイトルは申し上げませんが、据置型ゲーム機の市場シェアが大きなアメリカやヨーロッパでも、ニンテンドー3DS向けの有力タイトルが増える流れになりつつあります。

 


また、ニンテンドー3DSが、1年間勢いを維持できるプラットフォームであるために、定番タイトルの活性維持と、有力タイトルを定期的に継続投入することは絶対条件になります。

 


昨年末、『スーパーマリオ 3Dランド』『マリオカート7』という2つのマリオタイトルが発売されたことで、定番タイトルの主軸ができましたが、この2つのタイトルの活性を維持しながら、『nintendogs + cats』のようなタイトル、そして、日本ではカプコンさんの『モンスターハンター3(トライ)G』、海外では『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』に代表されるような、ハードの普及に伴い、定番として売れ続けるポテンシャルを持つ多くのタイトルを拡販してまいります。

 


さらに、今期これから発売されるタイトルも、ごらんのように大変充実していますし、来期には、

 


ごらんのような多様なタイトルを、極端に間隔を空けることがなく継続的に投入し、ここでお示ししている以外にも、未発表のソフトメーカーさんのタイトルが数多く登場します。また、ここにロゴは掲載されていませんが、来期の主軸タイトルとして、ニンテンドー3DS用に、横スクロールアクションの2Dの『スーパーマリオ』の完全新作も新たに発売予定です。
このようにソフト面での充実が進むことで、1年を通じて、ニンテンドー3DSを活性の高いプラットフォームとして、ゲーム市場の中でメインストリームとして普及させることができると確信しております。

 



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