本日は、お忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。社長の岩田でございます。
決算の数字につきましては、先ほど、専務の森からお話しさせていただきましたので、私は、まず、年明け以降の世界のゲーム市場における足下の状況、ならびに、任天堂の今後の展開についてお話しさせていただきます。
まずはじめに、世界のゲーム市場における足下の状況について手短にお話しします。
ニンテンドー3DSが年末商戦での爆発以降好調に推移している日本の市場と、海外の市場では、任天堂の存在感も異なっていますので、これから具体的にご説明したいと思います。
まず最初に、日本の市場についてお話しします。
これは、日本市場における年が明けてからの各ハードの販売推移です。
昨年年末商戦で、ニンテンドー3DSの普及が爆発的に進んで以来、日本市場では、年明け以降もニンテンドー3DSの勢いは維持されており、商戦期でもなければ、ハード発売直後でもないこの時期としては、市場で大きな存在感を維持できていると感じております。一方で、Wiiは年明け以降、急速に勢いを失っており、据置型ゲーム機としては、ソニーさんのPS3が年明け以降も好調に推移しています。
これは、今年に入ってから16週間の日本のソフト販売上位20位までのヒットチャートです。
昨年の同時期のチャートでは、3DSタイトルは1タイトルしかランクインしていませんでしたが、1年で大きく変わり、ハード市場と同様に、ニンテンドー3DSが市場を牽引していることが、ソフトのヒットチャートにも現れていることがおわかりいただけると思います。
次に、アメリカの市場についてお話しします。
これは、各ハードがアメリカ市場で毎月どのように売れているか、1週間あたりの数値にして比較したグラフです。以前からお話ししていることですが、アメリカでは、第三者集計機関のNPDは月に1度しかデータを出しませんし、4週間で1か月と扱う月と、5週間で1か月と扱う月があるので、1週間ごとの平均にすることで推移を見ているものです。
もともとアメリカ市場は、日本の市場と異なり、据置型ハードが強い市場ですが、昨年末の勢いを引き継いで、マイクロソフトさんのXbox360のハード販売に勢いがあります。Wiiは、小売店さんによっては昨年以上に売れているところもあるのですが、今は、年明け以降、十分な勢いが維持できていない状況です。
また、日本では、圧倒的な存在になっているニンテンドー3DSは、アメリカでも携帯型ゲーム機の中ではトップシェアではありますが、日本の2〜3倍の市場規模があるアメリカ市場で、現状の3DSの販売水準は、本来あるべき姿からはかなり遠いと受け止めています。また、日本と違い、ニンテンドーDSの販売規模が比較的高く保たれていることも特徴です。
これは、 今年に入ってからこの3か月のアメリカのソフト販売上位20位までのヒットチャートです。
任天堂プラットフォームのタイトルは、ここしばらくの間では最も少ない6タイトルしか含まれておらず、マイクロソフトさんの Xbox360のタイトルが8タイトル、ソニーさんが6タイトルという構成になっています。(また、年末にKinectのタイトルがヒットチャートの上位に登場していましたが、年明け以降は、Kinectタイトルが売れ続けているということはないようですから、Xbox360の勢いはKinectによるものではなさそうです。)
Wiiで上位にあるのは、昨年と同様の傾向で、ダンス系の2タイトル、そして、3月に発売になったばかりの『マリオパーティ9』です。日本では昨日発売されたばかりですが、先に発売された、アメリカとヨーロッパでは、共に出足がよいので、これから長期間にわたって安定的に売れるようにしていくことを目指しています。
また、3DSのタイトルとしては、『マリオカート7』、『スーパーマリオ 3Dランド』が年明け以降も売れ続けています。今後も定番として継続的な販売を目指しています。それが可能になれば、2006年に発売されたにもかかわらず、今も19位のDS向け『New スーパーマリオブラザーズ』のように、長期間売れ続けることも可能になるかもしれません。
最後に、ヨーロッパの市場についてお話しします。
これは、ヨーロッパの各ハードの販売推移です。ヨーロッパ各国の調査会社さんが発行するデータを元に、任天堂でヨーロッパ全体の販売数を推定したものです。
ヨーロッパでは、今年初めから今までのゲーム市場をリードしているのは、ソニーさんのPS3です。今年のゲーム市場は、日米欧、すべての地域で、トップシェアのハードが異なるという状況になっています。ニンテンドー3DSは、直近は徐々に週間販売ペースを上げてはきていますが、まだまだ満足できる水準ではありません。
一方で、ハードの販売状況だけでは見えてこないのが、ソフト市場における任天堂の存在感です。 ヨーロッパは多くの異なる特性を持つ国々の集合体で、個々に特徴がありますので、 主要4か国の今年に入ってからのヒットチャートをご紹介します。