株主・投資家向け情報

2013年4月25日(木)決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡

交通系電子マネーによるNFC決済が実現すれば、

  • お客様のとくに少額の支払いに関する煩わしさが大幅に軽減されること
  • 任天堂が今までマネタイズすることが難しかった少額課金を活用したビジネス機会を拡大できること
  • 少額課金でのビジネスを得意とされているビジネスパートナーのみなさんにも、Wii Uが新たなビジネスの機会を提供することができるプラットフォームになること

など、Wii Uでのデジタルビジネスの可能性をより大きく広げていくことにつながります。


今日お知らせしてきたように、デジタルビジネスのさらなる拡大に向けて、

  • 小売店さん経由でのダウンロード版販売の積極的な推進によって、ダウンロード商材の認知をさらに拡大すること
  • 多くの方にダウンロード版の良さを認知していただいて、そのメリットを実感していただくこと
  • ニンテンドーeショップを、新しいゲーム情報を得る場として、多くの方にご理解いただき、定期的に訪れる場所にしていくこと
  • Wii U搭載のNFC機能を活用してSuicaのような電子マネー決済を可能にすること

で、お客様の敷居を下げ、新たな可能性を追求していくことなどに取り組んでいきたいと思います。

これらを推進することで、任天堂プラットフォームにおけるデジタルビジネスは、まだまだ拡大できると確信しております。


また、この機会に、今年のE3に関し、この場を借りてお話しさせていただきたいと思います。

当社は、例年、E3に来場されたメディア記者の皆様、投資家やアナリストの皆様、ソフトメーカーさんなど業界内のパートナーの皆様、そして、流通関係者の皆様をお招きして、大規模な発表会形式のプレゼンテーションを行ってきました。同時にこのプレゼンテーションをインターネット中継することによって、世界中のゲームファンの皆様に対する情報発信も兼ねていました。今年も、当社が同様のイベントを行うはずと、多くの方が予想されていると思います。
一方で、一昨年10月より、Nintendo Directのような取り組みを始めて以来、私たちがより強く意識していることとして、その方のお立場によって、当社に求めておられる情報が異なっている、ということがあります。例えば、ゲームファンの皆様はゲームに関する新しい情報を求めておられますので、投資家やアナリストの皆様が重要視される当社の売上情報にはあまり興味をお持ちでない場合が多いようですし、流通関係の皆様は、近い将来発売予定の商品をどうマーケティングするのかという情報を求めておられます。以前は、この決算説明会の場で、製品に関する新情報などもお伝えして、それをインターネットで動画配信することも行ってきましたが、Nintendo Directのような新たな手法が確立した今、それぞれの異なる立場の皆様に、個別に情報発信を行うことにより、より的確で効果的な情報発信ができるのではないかと考えています。
今年のE3では、当社は新ハードの発表を予定しておりませんし、ソフトを発表し、体験をいただくことがE3の主な活動になります。当社が発表するWii Uゲームについてもっと良く知りたいと多くの方々が大いなる興味をお持ちですし、当社はE3のタイミングを利用して、今年発売するWii Uゲームを中心にその詳細をお伝えし、かつ、来場者にすぐに体験いただけるようにするつもりです。そこで、今年はこれまでにない取り組みとして、E3での新たな発表形式を確立することにチャレンジします。


まず、例年のような世界中の皆様に向けた全方位向けの、新しいニュースを発信するような大規模プレゼンテーションを行わないことにいたしました。
それに替わり、より小規模な米国向けソフトに焦点を当てた複数のイベントを計画しております。そのうちのひとつは米国流通関係者の皆様向けのクローズドなイベントで、もうひとつは、主に西洋のゲームメディアの皆様を対象としたクローズドな体験型のイベントです。また、私は昨年の「プレゼンテーション」に登壇しませんでしたが、今年もこれらのイベントに登壇する予定はしておりません。これらクローズドな来場者向けイベント以外に、E3の時期に当社からゲーム情報をご家庭におられるプレイヤーの皆様に直接お届けする新しい方法を継続して検討中ですので、決定次第、改めてお知らせしてまいります。

本日ご出席いただいている皆様を含んだ日本の皆様に対しては、Nintendo Directなどの当社のダイレクトコミュニケーション手段を通じて、E3のタイミングに合わせて海外と同時に、日本でこれから発売していく予定のソフトを中心とした情報発信を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。


また、昨日の決算発表時に取締役の異動に関するお知らせをいたしました。今回の異動は、代表取締役の森、波多野の2名を含む4名の取締役の任期満了による退任、そして、5人の取締役の新任、1名の取締役の昇任を内定したものです。

今回の異動で経営戦略が変わるということはありませんが、すでに、現在の経営体制が2002年に確立されてから11年が経過しており、今回の異動は、経営体制の世代交代を行うことを目的としたものです。今回の異動により、取締役の平均年齢は、6.7才若返ることになります。

また、参考までに申し添えておきますと、当社にとっては海外市場の勢いの回復が最優先課題と考えておりますので、株主総会後は海外事業は、社長直轄の体制で臨むことを予定しております。この新しい経営体制で、今期、営業利益1000億円の目標を達成するべく、最大限努力してまいります。


ご清聴、ありがとうございました。



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