『マリオカート8』は、昨年末時点での全世界合計の出荷本数が477万本で、現在のWii Uのハードの普及台数を考慮すると、非常に高い装着率と言えると思います。
そして、ニンテンドー3DS版に続き、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』を昨年末に発売し、年末までに339万本を出荷しました。
この「任天堂のホームコンソール機向け多人数プレイの2大看板ソフト」が揃ったことで、
ご覧のように、10月~12月のセルスルーを前年実績と比較すると、ソフトの販売が全ての地域で前年を上回り、特にアメリカ市場での伸びが顕著です。また、自社ソフトだけで比較すると、特に海外市場での伸びは、より大きくなります。
例えば、アメリカの自社ソフトだけに目を向けますと、このグラフでお示ししている10~12月の数字ではなく、2014年暦年全体の数字になりますが、パッケージ・デジタルを合計した販売数の前年実績に対する比率は、175%になります。
一方で、ハードに関しては、海外市場では順調に数字を伸ばしたものの、国内市場では、数字を伸ばせませんでした。これは、私たちの年末のご提案が、前年の『ファミリープレミアムセット』ほどのお得感を感じていただけなかったことに加え、日本市場では、発売されたばかりのNewニンテンドー3DSにお客様のアテンションが集中したことや、ニンテンドー3DSのソフトにヒット作が集中したことで、子供さんの需要がニンテンドー3DSのソフトを複数お求めになる方向に集中し、Wii Uハードをお買い求めいただく優先度が下がってしまったことにあると分析しています。
また、昨年の1月の経営方針説明会で、「Wii U GamePadの存在意義を徹底的に高める」という方針を申し上げ、宮本が6月のE3で、いくつかのGamePadを活用するソフトについてご紹介しましたが、2015年のWii Uのラインナップは、GamePadを活用するソフトが順次登場していく予定です。
こちらは、既に発表している、2015年発売予定のWii Uタイトルです。このほかにも未発表タイトルがありますが、この中には、GamePadを積極的に活用するタイトルが多く含まれています。
宮本の「GamePad活用プロジェクト」はもちろんのこと、例えば、『Mario Maker(仮称)』のように、GamePadを使ってUGC:User Generated Contents、すなわち、お客様のクリエイティブを活かしてつくったものをみんなで楽しむ、というような遊びには、非常に大きな可能性がありますし、親と子が一緒に遊ぶというような遊ばれ方にもポテンシャルがあるのではないかと思っています。
このように、昨年の年末商戦においては、日本ではWii Uハードの普及に、アメリカやヨーロッパではニンテンドー3DSハードの普及に課題を残したと言えます。
一方で、ポジティブな面に目を向けると、年末商戦で、任天堂はソフトにおいて存在感を示すことができたという手応えがありました。
1つは、秋以降発売された大ヒットソフトが、ニンテンドー3DSでもWii Uでも、年末商戦全体を通じて、その販売水準を維持することができ、12月の商戦期のピークでも、国内海外とも、高い存在感を発揮したこと、そして、もうひとつは、そのソフトの品質について、高いご評価をいただけたということがあります。
海外市場では、metacritic.comというサイトで、いろいろなメディアで公開されているゲームレビューを100点満点の数字に変換して平均点を集計し、メタスコアとして公開しています。いわば、このメタスコアは、業界のプロフェッショナルの評価者がどのようにゲームを評価しているのか、ということを示すものです。一方で、metacritic.comでは一般のユーザーさんからも評価の投稿を受け付けており、その平均をユーザースコアとして公開しています。
もちろん、このサイトを訪問されるお客様は、ゲームを遊ばれるお客様の中でも、熱心なゲームファン寄りのお客様だと思いますが、メタスコアとユーザースコアの両方で高くご評価をいただけるソフトというのは、お客様がソフトの品質について判断するためのひとつの指標になっているようです。
これは、昨年末、米国任天堂のFacebookページに公開した画像です。
実際に、metacritic.comにおいて、メタスコア85以上・ユーザースコア8.5以上の、プロの評価者にも、お客様にも非常に高く評価されたと言える、パッケージソフトのタイトル数を数えて、一覧にしたものです。
任天堂の現行プラットフォームであるニンテンドー3DSとWii Uには、これらの条件を満たすものが19タイトルあります。それに対して、他社さんの現行プラットフォームであるPS4、Xbox One、PSVitaでは8タイトルでした。
全く新しいソフトを提案したときには、最初は誤解を受けることも多いので、metacritic.comのメタスコアやユーザースコアだけで全てを語るつもりはありませんが、このように高くご評価いただけるソフトを継続してご提供できるように、努力していきたいと思っています。
当社プラットフォームのソフトが高くご評価いただける流れは、年明けも続いており、Newニンテンドー3DSと同時発売の2つのソフトは、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』がメタスコア90、ユーザースコア9.5、『モンスターハンター4G』(海外での商品名は『Monster Hunter 4 Ultimate』)がメタスコア86、ユーザースコア8.9と高いスコアになっています。モンスターハンターは、海外で展開された前作『モンスターハンター3G』がメタスコア79だったことと比較していただきますと、高くご評価いただいたことがわかりますし、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』については、10月の経営方針説明会でお伝えした「スマブラ・ルビサファ同世代仮説」と同じ年代の人たちにファンの方々がたくさんおられることもあって、特に熱気を感じます。
これは、現地時間の、先週金曜日に発売された『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』ならびに『モンスターハンター4G』の発売初週(アメリカは3日分、ヨーロッパは2日分)の販売数の自社調べ速報データを、前作である『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』(海外名『The Legend of Zelda: A Link Between Worlds』)ならびに『モンスターハンター3G』(海外名『Monster Hunter 3 Ultimate』)と比較したものです。アメリカでは、『モンスターハンター』はCapcomさんが発売されており、月曜日が祝日のため、具体的な数字の集計は終わっておらず、このグラフには記載しておりませんが、カプコンさんから速報レベルで共有いただいた情報によると、ソフトをプリインストールして販売している限定ハードを含めて、前作の3倍以上の出足とお聞きしています。両方のゲームとも、好調な予約動向、高いゲーム評価も相まって、大変順調なスタートになっています。