また、昨年、Wii U版の『スマブラ』と同時に、新カテゴリー商品である『amiibo』を発売しました。
昨年年末の時点で、全世界合計の出荷数は、既に約570万体に達しています。
特に、アメリカ、カナダ、オーストラリアの市場で好調で、一部のフィギュアについては、品切れが発生し、オークションで高値で取り引きされたりするなど、事前には想定していなかった状況も生まれています。
amiiboは全くの新カテゴリー商品ですし、これまでのソフトとフィギュアを組み合わせた他社さんのソフトとは、フィギュアの使われ方も異なり、発売時の認知度は非常に低い状態から始まったことを考えると、良いスタートを切れたと感じています。
まず、amiiboは、複数のソフトが対応する「ゲームとつながるフィギュア」です。最初は『スマブラ』からの対応になりましたが、『マリオカート8』『進め!キノピオ隊長』『タッチ!カービィ スーパーレインボー』での対応をはじめ、今後も次々と、いろいろなソフトに対応していきます。
また、ゲームのパッケージソフトよりは、手軽でお求めやすい価格の商品ですので、パッケージソフトよりも、季節を問わず、少しずつ買い足していただけるのではないかと感じています。実際、年が明けてからの販売推移を見ていても、通常のパッケージソフトに比べて商戦期が終わった後の落ち込みが小さいという傾向が、世界各地の市場で観察されています。また、新しいamiiboの登場で、ゲームソフトに関する話題が定期的に生まれることは、プラットフォーム稼働を維持するためにも貢献できるのではないかと感じています。
『スマブラ』シリーズ以外のシリーズ展開の第1弾として、『マリオパーティ10』で「スーパーマリオシリーズ」のamiiboも展開することになりました。
『スマブラ』のプレイヤーキャラクターの展開も含め、今後、売り場に変化を出していくつもりです。現実には、売り場の棚面積は有限ですので、amiiboには、定番化するものと、順次入れ替えていく売り切り型のものを予定しています。
このような展開ができれば、店頭で常に任天堂キャラクターの存在感を維持することができますので、任天堂のプラットフォーム全体に、大きなメリットを創り出すことができると思います。
これは、amiibo発売後、今年に入って6週間目までの、amiiboの地域別の出荷比率を表す円グラフです。
一目でおわかりいただけるように、特にグラフの赤でお示ししている北米地域、これはアメリカとカナダの合算ですが、この地域の割合が、全出荷数の63%と非常に大きくなっています。
日米欧地域では、消化率はそれぞれ約7割となっていますが、オーストラリアでは消化率が約9割となっています。
これは、地域別のキャラクター別販売ランキングです。地域別に品切れになっているキャラクターもありますので、単純に需要や人気度を表すものとは言えませんが、地域ごとにキャラクター販売傾向に、少し差があることがおわかりいただけると思います。
これは、地域別のキャラクター別消化率ランキングです。ここで上位にあるamiiboは、既にほぼ品切れで入手困難になっているものもあります。
amiiboの追加生産に関しては、製造ロット数や納期、陳列スペースなどの制約もあることから当社が発売後に全種類を確実に継続出荷していくことは困難ですが、発売から短期間で品薄になったamiiboや、特定のamiibo以外では遊ぶ術(すべ)のないソフトがある場合、お客様や販売店様から多くのご要望があるなどの状況がある場合は、追加生産を検討してまいります。
また、今後の展開としては、10月の経営方針説明会で宮本がお話ししたように、これまでのフィギュア形状のamiiboと異なるカード形状のamiiboも今年展開する計画です。
amiiboの新たな活用としては、Wii U向けに、amiiboでファミコンやスーパーファミコンのゲームを楽しむことのできるダウンロードソフトの無料配信を今年前半に計画しています。
このソフトでは、amiiboをタッチすると、ファミコンやスーパーファミコンのバーチャルコンソールのソフトが1本選ばれて、そのソフトの名シーンが遊べるようになります。プレイ時間制限があり、全てが遊べるわけではありませんが、同じamiiboをタッチするたびに、そのソフトのシーンがいくつか順番に切り替わるようになります。ロムカセットを差し替えるように、amiiboをタッチすることでゲームが素早く切り替わる不思議な感覚をお楽しみいただきたいと思っています。
また、amiiboは、これまでWii Uのみの対応になっていますが、これから、ニンテンドー3DSでの対応も積極的に推進していきます。Newニンテンドー3DSには、NFCのリーダーライター機能が標準で搭載されていますし、この夏には、従来のニンテンドー3DS向けのNFCリーダーライターを周辺機器として発売します。先週には、3DS版『スマブラ』も、ソフトの更新によって、amiibo対応になりました。
さて、ここからは、これからのビジネスの拡大のために必須となるデジタルビジネスの進捗についてお話ししたいと思います。
これは、直近会計年度3期分のダウンロード売上の推移です。
第2四半期の時点では、前期に対して少し減少していましたが、第3四半期終了時点で、ダウンロード売上は211億円となり、前期に対して17%の増加に転じました。
これは、昨年度と今年度の第3四半期までのダウンロード売上を地域別の割合にしたものです。
昨年度は、『すれちがいMii広場』や『だるめしスポーツ店』などのダウンロード専用のヒット作でダウンロード売上の割合が高かった日本の割合が減少し、米大陸の伸びが特に大きく、ヨーロッパがそれに続いています。
また、アメリカでは、デジタルで商品をお買い求めいただくということが一般に広くお客様に受け入れられており、その結果、ソフトをダウンロード購入されるお客様の割合も多いのですが、ご覧のように、米大陸でのソフトウェア売上全体の中でダウンロード売上比率をグラフにすると、この3期ほど、自社タイトルのデジタル販売割合が大幅に上昇しつつあります。
もちろん、年末や誕生日のプレゼント需要など、デジタル版になりにくい需要もありますが、これまでのいろいろな取り組みが実を結び、デジタルビジネスの進捗は順調に進んでいるとお考えいただいて良いと思います。これは、ゲーム機上のeショップでの購入のほか、前回の経営方針説明会でご説明したように、ゲーム機以外でのホームページを通じた販売など、デジタル販路をいろいろな形に広げる取り組みが機能しているということの証明にもなっていると思います。
本日のプレゼンテーションは以上です。