また、日本で『トモダチコレクション 新生活』というタイトルで2013年に発売したタイトルを、昨年6月、海外市場で『Tomodachi Life』という名前で発売し、これまでの世界累計出荷本数が396万本となりました。
特にヨーロッパでは、非常に息の長い興味深い売れ方をしています。このグラフは、前年のほぼ同時期に発売した『とびだせ どうぶつの森』の海外版『Animal Crossing : New Leaf』の販売推移と比較したものです。海外では、ニンテンドーDS向けの『トモダチコレクション』は発売していませんでしたから、まったくの新規IPとして知名度ゼロからのスタートでした。ご覧のグラフは、年末までの販売推移なのですが、『Animal Crossing』より『Tomodachi Life』が約1週間早く発売されたため、年末までは、『Tomodachi Life』のほうが1週間長くなっています。
ご覧のように『Tomodachi Life』は、発売以来非常に長い間、安定して売れています。
年末までのヨーロッパでのセルスルーは、デジタル版を含むと『Animal Crossing』が約128万本、『Tomodachi Life』が約122万本で、ほぼ同水準になりました。発売時の知名度が全く異なり、初動が大きく違ったことを考えると、これは、非常に良い結果だと思いますし、フランス1国のセルスルーが、アメリカでのセルスルーを上回っていることは、特筆すべきことだと思います。
このような、業界内で他に競合するソフトが少ない、女性にもアピールできるソフトのポテンシャルを引き出すことで、ニンテンドー3DSというプラットフォームがより幅広いお客様にアピールできます。事実、ヨーロッパでの『Tomodachi Life』は、ピンク色のニンテンドー2DSとともに、年末に低年齢の女性のお客様に普及が進んだ手応えがあります。ヨーロッパでは、商戦期のニンテンドー3DSハードの半分弱をニンテンドー2DSが占め、入門機としてのポジショニングを築くことができましたが、これは、『Tomodachi Life』のヒットとの相乗効果が大きかったと分析しています。
また、日本とオーストラリアで先行して発売していた、Newニンテンドー3DSシリーズをアメリカやヨーロッパでも2月13日に発売しました。アメリカでは現時点で、大画面が特徴のNewニンテンドー3DS
XLのみを発売しています。
同時発売ソフトは、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』や『モンスターハンター4G』(海外では『Monster Hunter 4 Ultimate』)でしたが、
ご覧のような、特別バージョンのハードを、ソフトと同時発売しました。
アメリカでもヨーロッパでも、この限定ハードの前売り予約は非常に好調で、発売前に予約を締め切った小売店さんが多く、発売初日でほぼ完売したと報告を受けております。
これは、現地時間の、先週金曜日に発売されたNewニンテンドー3DSシリーズの発売初週の販売数の自社調べ速報データです。アメリカでは発売から3日分、ヨーロッパでは日曜日が小売店さんがお休みのため発売2日分の販売数を、ニンテンドー3DS XLの発売と比較したものです。年末には、能動的にゲーム情報を集めておられるゲームファンのお客様は、ニンテンドー3DSハードの購入をNewニンテンドー3DSの発売までお待ちになっていたようですが、通常は商戦期ではないこの時期に、有力な同時発売ソフトとの相乗効果もあって、大変順調なスタートになりました。次の課題は、この勢いをいかに維持していくかということに移っています。
これに加えて、国内市場では、サードパーティーのソフトメーカーさんの3DSソフトの開発意欲も非常に高い状態が維持されています。先ほどもお話ししたように、サードパーティータイトルでも、ダブルミリオンを越える大ヒットソフトが登場していますし、また、中小ヒットのソフトもコンスタントに登場しています。
発表済みのソフトでも、ご覧のように多くのソフトがこれから登場しますし、ここに掲載されていない未発表のソフトの開発予定についても、数多くお聞きしています。
また、国内でヒットした国内のソフトメーカーさんのソフトを海外に展開するお手伝いというのも新しい可能性だと思っています。
また、海外でのニンテンドー3DSの普及を一層促進するために、ローカル通信での多人数プレイの普及を一層促進していきたいと考えています。
日本での携帯ゲーム機の普及の過程においては、ローカル多人数プレイが『ポケモン』でも『モンハン』でも『妖怪ウォッチ』でも、非常に大きな役割を果たしています。
「教え教えられ」の構造ができ、ソフトをより楽しんでいただけること、「実際に遊んで面白いソフトが口コミで広がること」、そして、Newニンテンドー3DSの「百聞は一見にしかず」の「3Dブレ防止機能」の効果を実感していただくことなど、多くの点でローカル多人数プレイは、携帯ゲーム機の普及に大きな役割を果たすのではないかと考えています。
次に、Wii Uについてです。
これは、10月の経営方針説明会でもお見せした、今上半期における日本・アメリカ・ヨーロッパのWii Uのハード・ソフトのセルスルーが、前年実績に対してどれだけの比率になっているのかをグラフにしたものに、オーストラリアのデータも加えたものです。
昨年5月に『マリオカート8』が発売されたこと、そして、6月のE3以降、Wii Uの可能性を再評価いただいたことなど複数の要因があって、ハード、ソフトとも数量を伸ばしました。オーストラリアの伸びが特に大きいのは、現地では冬にあたる6~7月にかけてオーストラリア独特の「トイカタログシーズン」と呼ばれる商戦期があり、5月に発売した『マリオカート8』の恩恵を大きく受けているからです。