ゲーム専用機プラットフォームは、新作ソフトが発売時期に集中して売れるということに注目が集まりやすい傾向がありますが、任天堂の携帯ゲーム機のこれまでの歴史を見ても、ハードは新作ソフトと共に売れるだけでなく、定番として定着した大型タイトルと一緒に売れていく傾向があります。
特に海外市場ではこの傾向が強く、新作ソフトの拡販と同時に、これまで発売した豊富な定番ソフトの活性を高く保つことで、ハードの普及を目指していきます。
これは、これまでに発売されたニンテンドー3DSソフトの累計販売本数です。『マリオカート7』は2011年、『New スーパーマリオブラザーズ 2』、『とびだせ どうぶつの森』は2012年、『ポケットモンスターX・Y』は2013年に発売されたソフトですが、当期も定番ソフトとしてそれぞれ100万本以上販売し続けています。特に海外市場では、定番となったソフトが売れ続ける傾向があります。
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』は、昨年秋の発売から当期末までに675万本、『トモダチコレクション 新生活』は日本では2013年に発売されたソフトですが、海外では当期発売になり、特にヨーロッパで販売が好調で累計で415万本、そして『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』は昨年11月の発売から当期末までに994万本を出荷していますが、今後もこれらのソフトを定番として定着させながら、これから発売する新作ソフトを加えて、厚みのあるソフトラインアップをアピールすることで、さらなるプラットフォームの拡大を目指します。
また、前回の決算説明会でもお話ししましたが、海外でもローカル通信での多人数プレイの普及を一層促進していくことに取り組んでいます。これは、『マリオカート』や『どうぶつの森』『スマブラ』『ポケモン』『モンハン』、そして、これから海外市場でも展開する『妖怪ウォッチ』など、多くのソフトにとって、非常に大きな役割を果たすことになるからです。
次に、Wii Uについてです。
Wii Uについては、特に海外市場で年明け以降も勢いを維持しています。
ご覧のように、ソフトはすべての地域で、ハードは海外市場で、前年を上回っています。
これは、新作ソフトの発売によるものではなく、昨年発売した「任天堂のホームコンソール機向け多人数プレイの2大看板ソフト」、
具体的には、『マリオカート8』と『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』が揃い、かつ、それらの稼働を維持できたことが大きいと考えています。
「ソフトの更新」による機能追加や、「追加コンテンツ」による新キャラクター、新コースなど、新しい要素の配信によって、発売から時間が経過しても、引き続き遊び続けていただけるようなキッカケ作りにも力を入れています。定番ソフトの稼働と勢いを維持し、寿命をより長く保つために重要な取り組みです。
こちらは、既に発表している、2016年3月期に発売予定のWii Uタイトルです。このほかにも未発表タイトルがありますが、この中には、Wii U GamePadを積極的に活用するタイトルが多く含まれています。
去年のE3でご紹介した当社の宮本が主導する「GamePad活用プロジェクト」はもちろんのこと、例えば、『Mario Maker(仮称)』のように、GamePadを使ってUGC:User Generated Contents、すなわち、お客様のクリエイティビティを活かしてつくったものをみんなで楽しむ、というような遊びには、非常に大きな可能性がありますし、親子で一緒に遊ぶというような遊ばれ方にもポテンシャルがあるのではないかと思っています。