このような姿になっています。実は、最初の調査では、サンプルとして64才までの方に集まっていただいていたのですが、それだけでは不十分であろうということで、近年は、74才の方にまで調査対象を広げています。 もちろん、この調査の時点で、DSの普及台数は1800万台を超えていましたので、絶対量が増えていることはもちろんですが、全年齢にまんべんなくお客様がいらっしゃることがわかります。また、女性比率は何と53%にも達しています。


一方、据置型のハードですが、これは2年半前の調査のゲームキューブのお客様の年齢や性別の構成です。縦軸のスケールは先ほどと少し変えてあります。やはり、この時のお客様の構成は、低年齢層に厚みがある構成でした。このようなことから、ゲームキューブやゲームボーイアドバンスの時代には、任天堂のプラットフォームは子供向けという認識が一般的でした。


これに対して、今年7月時点でのWiiのお客様の構成は、このようになっていました。この時点での普及台数は、まだ300万台程度と普及の初期段階ですが、既に幅広い年齢の大人層にはゲームキューブ以上に受け入れていただいており、必ずしも低年齢層中心の構成にはなっておりません。また、DSに引き続き、女性比率が51%と、過半数を超えています。


もう1つ、これらの調査を通じて、ゲーム機のハードごとの、世帯あたりのゲーム機を触っていただいているお客様の数、「世帯あたりユーザー数」を調べています。ここにも、DSやWiiの独自性がはっきりと表れています。 かつて、据置型ゲームで2.2〜2.8程度、携帯型ゲーム機では2.0前後だった世帯あたりのユーザー数は、Wiiでは3.5、DSでは3.0と、史上最も高いものになっています。この調査には一人暮らしの方の世帯も多く含まれていますので、家族全員がDSやWiiを遊んでいただく世帯がいかに多いかということを同時に表しているデータでもあります。 そしてこれは、お客様の中の女性比率が高いことと大きな相関があります。任天堂のプラットフォームが、幅広い年齢層の女性のお客様のご支持をいただいたことは、ゲーム人口を拡大し、市場の活性化をもたらした大きな力になっています。


これは、各プラットフォームの発売以来の販売推移を表したものですが、ご覧のように、DSは2年目から、過去に普及したプラットフォームの年末商戦期並みのペースで、ほとんど季節性の感じられない史上最速の圧倒的な普及ペースで販売が続いてきました。 この要因を、ユーザー人口という観点から捉えますと、お客様が低年齢層中心から幅広い年齢の方に年齢構成が変わったことで、DSを買いたいと考えていただいたお客様が、家族の誰かに頼んで、年末年始や春夏の休みの時期など、いわゆる商戦期に買ってもらうプレゼント需要中心だったものが、欲しいと思った大人のお客様が自分のために買うという需要に変わったこと、そして、世帯あたりのユーザー数が増え、家庭の中でも多くの方が、自分に関係があるものとして捉えてくださる、別の言い方をすれば、ゲーム機を購入する際に家庭の中で反対する方が少なくなる、という2つのことが、この変化をもたらしたのではないかと考えています。