8 | もしもWii Uが期待ほどの成功を収めることができなかった場合、マリオやゼルダを経験せずに大人になる年齢層が生じてしまうことになる。そのような場合、御社の知的財産の価値が下がってしまうことにならないか。 |
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岩田: まず、そのようなことに対する自信がなくなったら、私は社長業を続けていてはいけないので、その前提でものごとは考えておりません。そうではなくて、どうやってWii Uをたくさんの人に認めてもらうか、そして私たちには複数のプラットフォームでビジネスをしていくという手段がございますので、いろいろな想定外のことが起こっても、それを取り戻してやっていくためにさまざまなことを考えて、私はこの役割を務めています。私には、任天堂のフランチャイズの価値をきちんと高く維持する自信もございます。 |
9 | Wii Uはいつ発売されるのか、そして何が同梱されるのかを説明してほしい。タブレットコントローラー1個と3〜4個のWiiリモコンを使ってプレイするという話があったが、ハード発売の際に何が同梱されるのか教えてほしい。 |
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岩田: まず何がパッケージの中に入っているかということは、今回はまだお話をしておりません。今はっきり申し上げられるのは、本体と必ずWii U GamePadをセットにしないと、これはWii Uになりませんので、その点について保証しているという点だけです。それ以外には、どのようなものが一緒に同梱されるかというのは、価格等を発表するときに一緒にお話ししようと思います。 それから、すでに世界中で1億9000万本のWiiリモコンが普及しており、また、Reggieが昨日、(当社E3プレゼンテーションの)ステージ上で申し上げたように、非常にたくさんの数のバランス Wiiボードが普及しておりますので、これらは当然、私たちが引き継ぎたい資産の一つです。 |
10 | 為替の円高傾向はこれからも会社の業績に影響を与えると考えているか。そうであれば、どのような対策をとるつもりなのか。 |
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岩田: まず、ドルと円の為替レートに関しては、私たちが材料の仕入れや部品の仕入れをドル建てにすることを、非常に積極的にやってきましたので、以前ほど大きな影響を受けなくなりました。一方で、対ユーロに関しては、同じようなことを試みているのですが、対ドルほど、ユーロで支払いを望んでおられる取引先がございませんので、対ユーロの為替の問題というのは同じ方法ではなかなか改善できません。その結果、私たちはユーロの為替レートの変動に対しては、どうしても業績に影響を受けてしまう構造にあります。これは日本の製造業共通の問題で、私たちもいろいろな解決策を探していますが、今日現在、「これが決定的な答えです」というものはありません。 同時にこれまでは日本で(円建てで)使っている経費の中で、ドル建てあるいはユーロ建てにすることによって、全体にプラスに働くものがないのかということはいろいろ考えています。これは材料の仕入れ以外にも当てはまります。今後は日本で使っているさまざまな費用を外貨で支払える様々な方法を探したいと思います。例えば、日本にある取引先とやっていた仕事の中で、仕事の質を落とさずに海外の会社と実行することができて、その方がメリットがあるようであれば、積極的に行おうとしています。 ただ一方で、かなり長いレンジで考えますと、国のファンダメンタルズ(経済指標)から考えて、今の為替レートが今のまま長く続くというようには私は見ておりません。また潮目が変わるときが必ず来ると思っており、そのときのことも考えながらいろいろな対策をしています。二度と元に戻れないような方法を選ぶのが正しいとは思っていません。 |