株主・投資家向け情報

2012 E3 アナリスト Q&A セッション
質疑応答
Q 15-1

 ソフトウェアを介して接続されるスマートフォンと比較して、(Wii Uに)完全に統合されているWii U GamePadのメリットについて言及されたが、消費者にとっては、実際に使ったことがないと、待ち時間や遅延といったものを最初から感じるのは難しいと思う。3DS発売のときを振り返ると、市場に十分に売り込んだり、直接体験の機会を十分に提供することができなかったため、3DSの良さが消費者に十分に伝わらなかったという問題について述べられていたと思うが、消費者にWii Uのセールスポイントを理解してもらうため、今回はどのようにマーケティング戦略を変更したり修正したりするのか?

A 15-1

岩田:

 その話について、私はよくReggieと話し合わないといけませんね。私たちは今回のショー時点では、それ(ユニークな体験のアピール)がパーフェクトにはできていないので、Wii Uを評価してくださる方がいらっしゃる一方で、Wii Uに懐疑的な見方をされる方もおられるのが今の現実だと思っています。私たちは今回のショーを通じて、「こういうことは(初めて聴く人に)理解していただきやすい」「こういうことは理解していただきにくい」ということをいろいろ学んでいますから、当然それを活かして発売までにお客様にきちんと伝わる方法を考えます。ですので、今日ここで、どうすると具体的には申し上げることはできませんが、私たちはそれを達成して、お客様にWii Uを欲しいと思っていただけるように、わかりやすく伝えられるようにいたします。

Reggie Fils-Aime, President & COO Nintendo of America Inc.:

 当社が最初にWiiをご紹介した2006年のE3のようなイベントの直後からWiiが成功を保証されるようになったかのような記憶をお持ちであることを、興味深く思います。ここで重要なことは、私たちが最初にWiiをお見せしたときと同じ反応を、今回のWii Uで経験しているということです。当時、ゲームビジネスはグラフィックと処理能力に重きを置いていましたので、モーションコントロールはユニークで革新的でした。他のビデオゲーム会社は、私たちの革新的なアイデアを「自分たちのハードウェアでもいくつかの他のデバイスをつなげると同じようなことができる」と言ってのけようとしました。しかし、ここで重要なのは、当社はお客様の情報を多く集め、マーケティングを強化し続けたことで、グローバルな発売戦略を練り、結果、お客様に受け入れていただくことができました。今現在、私たちは、それとまさに同じ状況にあると考えています。私たちは有力タイトルや当社のキーメッセージに対してとても良い反応を受けており、それから学べることを、発売時に、あるいは発売価格や発売日等の詳細の公表時期に活かしたいと思います。そして、この先、2006年のホリデーシーズンと同じ状況になるように変えていきたいと思います。

Q 15-2

 プレゼンテーションの際に、Wii Uのゲームの重要な差別化要素として非対称的なゲームプレイを挙げられていた点について聞きたい。私が見たところでは、プレイヤーが互いに競争する本当に非対称的なゲームプレイを取り入れていたのは1、2タイトルだけのようであった。ファーストパーティータイトルの過半数がこの非対称的なゲームプレイを採用するようになるのはいつごろになるとお考えか。

A 15-2

岩田:

 まずWii Uで多人数ゲームを遊ぶと、Wii U GamePadを持っている人と、従来のWiiリモコンやコントローラーを持った人では、明らかに役割が変わります。その役割が変わることでさまざまな新しいアイデアを思いつくことができますので、私たちは「非対称なゲームプレイ」を提案しています。実際、非常に短い間に数多くのアイデアが生まれましたので、これは、これからも非常にたくさんのアイデアが出てくるポテンシャルの高い構造だと考えています。この構造がきちんと使えるまでは、まず一つのWii U GamePadを使ってどのようなことができるのかをご提案しようと思っておりますので、今回お見せしたもの以外にも、非対称なゲームプレイを利用したものというのは、いくつも登場すると思います。

 今回その役割を果たすソフトウェアタイトルとして、『Nintendo Land』にフォーカスしてお伝えしていますので、タイトルが少ないのではないかというように見えてしまったのかもしれません。(実際には、『New Super Mario Bros. U』にも、『GAME & WARIO』にも、『SiNG』にも、非対称的ゲームプレイの要素が存在しています。)「これからいろいろな非対称性を持つゲームが出てきそうだな」ということが伝わるように、発売時の戦略を組み立てるつもりです。

Q 16

 Wiiについては、宮本さんが『Wii Sports』『Wii Sports Resort』『Wii Music』等の5〜6本の重要なタイトルを念頭に置いてシステム設計をしたと理解している。今回も同じようなことをしているのか。今までのところ、『Pikmin 3』は見たが、Wiiのときのような一連のタイトルを宮本さんが開発しており、今後2〜3年の間にWii U向けに発売される予定なのか?

A 16

岩田:

 まず今回私たちは、この年末商戦にWii Uを発売するときのローンチタイトルと、(発表資料の中で)ローンチウィンドウと呼んでいる、来年の初め、またはハード発売からそれほど時間が経たない時期に発売するタイトルで、どのようなご提案ができるのかということをお見せしました。その前提で言いますと、その後にどんなソフトが続いていくかについては、いろいろなことを考えており、そこに当然、宮本も参加していますし、私も参加しています。その中には、伝統的なフランチャイズのものもまだまだありますし、新しい提案も当然、含まれています。しかし、新しいハードウェアの構造を提案した1年後には同様の提案が出てくる時代ですから、あまり早くからは具体的なお話はできないと考えていますので、そこはご理解ください。


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