本日は、お忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。社長の岩田でございます。
決算の数字につきましては、先ほど、常務の君島からお話しさせていただきましたので、私からはまず、
前期まで3年連続の営業赤字となったことについてお話ししたいと思います。
当社の3期前、2期前の営業赤字は、主に超円高とプラットフォームの切り替えが重なったことで、収支のバランスを崩したことによるものでした。特に前期においては、為替環境が改善されましたので、任天堂らしい利益水準の回復に向けてさまざまな努力をしましたが、主要製品のハード・ソフトの販売数量が大きく未達となり、また期初には想定していなかった一時的な技術の取得費用の発生などもあり、 結果を出せなかったことについては、責任を痛感しております。今後ビジネスの勢いを回復させることこそが、何よりの責任だと考えています。
できるだけ早く任天堂らしい利益水準を取り戻したいと考えておりますが、プラットフォームは勢いのビジネスであり、一度大きく躓いてしまいますと、建て直しにはある程度、時間がかかってしまうことは避けられません。
4期連続の営業赤字は許されることだとは考えておりませんので、今期は、収支バランスの回復を優先する年と位置づけています。
ニンテンドー3DSは、全世界での普及台数は4300万台を超えており、プラットフォームビジネスを展開するための十分な規模に到達していますので、これを活かして、本格的な収穫期とすることを目指しています。
3DSには、これまでに販売した数多くの優良ソフトが十分に揃っていますし、その中には安定的に売れ続けているものも多くあります。特に前年に対する伸びが顕著なのは海外市場の3DSソフトで、今年に入ってから、前年対比で、国にもよりますが、ソフト販売数は約2割〜4割伸びています。これらのポテンシャルを今後も実際の販売に着実に転換していくこと、そして、定期的に有力タイトルを展開することで、3DSビジネスの活性を維持していきたいと考えています。
また、新作タイトルの中で、全世界で今期の主軸となるのが、
今年夏の発売予定で、携帯型ゲーム機で初めての展開となる『大乱闘スマッシュブラザーズ for NINTENDO 3DS』、
そして、昨日発表したばかりで、決算説明会参考資料にも掲載できておりませんが、ゲームボーイアドバンス時代に展開し、国内544万本、世界累計で1622万本以上出荷している『ポケットモンスター ルビー・サファイア』をニンテンドー3DS向けにフルリメイクした『ポケットモンスター』シリーズの最新作『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』を今年11月に世界で発売予定です。
また、日本市場では、ニンテンドーDSとニンテンドー3DSでそれぞれ1タイトルずつ展開されている『トモダチコレクション』シリーズを、今年6月に、シリーズとして初めて海外市場に展開します。ご覧のように、『Tomodachi Life』というタイトルになりました。自分や、家族やトモダチなど自分の周囲にいる人、そして、自分のお気に入り著名人などを、私たちがMiiと呼んでいる似顔絵キャラクターとしてつくっていき、その世界で起こるさまざまな意外感あふれる出来事で楽しむ、他にはないユニークなソフトです。先日、「Tomodachi Life Direct」として動画をオンラインで公開して、海外で発表したところ、海外のファンの方々から、「任天堂がまたまた、とにかく変なソフトを出す」と話題にしていただいています。私もいろいろな反響を耳にしているのですが、これまでのゲームと大きく違うこともあって、どんなゲームなのかということについて、具体的にイメージはできていない方もおられるようですが、「とにかく遊んでみたい」という印象を多くの方に持っていただくことができているようです。去年の『とびだせ どうぶつの森(海外名は、Animal Crossing: New Leaf)』のように、日本で先にヒットしたソフトを海外でも多くの方に受け入れていただけるように取り組んでいきたいと思います。
ソフトメーカーさんのソフトでは、まず、国内だけでなく海外での展開も発表されている『モンスターハンター4G(海外名Monster Hunter 4 Ultimate)』が軸になります。
また、現時点では国内のみの展開となりますが、子供さんを中心に人気を集めている『妖怪ウォッチ』シリーズの最新作『妖怪ウォッチ2』もこの夏に発売されますし、 ご覧いただいている『ペルソナQ』や、『太鼓の達人』最新作も来月には発売されます。
特に国内のソフトメーカーさんは、ニンテンドー3DSのソフトを積極的に展開されています。2013年にセルスルーしたサードパーティソフト(これは、ハードメーカー3社とポケモンのソフトを除いています)約3422万本の中で、最も本数が多いプラットフォームは、全本数の38%を占めるニンテンドー3DSです。ここにお見せしているほかにも、未発表のタイトルも含め、多くのニンテンドー3DSソフトの開発が進められているとお聞きしています。また、その一部は、海外でも普及が進んできた3DSでもビジネス機会を活かしておられます。これまでにも、『レイトン教授』シリーズや『イナズマイレブン』シリーズ、『BRAVELY DEFAULT』など、アメリカやヨーロッパでの展開に任天堂がご協力することで、成果が挙がっているソフトも増えてきました。この流れを一層加速することで、さらに3DSビジネスを発展させていきたいと思います。
Wii Uについては、昨年の年末商戦でも勢いを十分に回復させることができませんでしたが、今年は、1年を通じて「任天堂の強みを活かして勢いを取り戻すこと」にしっかりと取り組んでいきます。
これまでに発売したソフトを定番としてより多くのみなさんに楽しんでいただくことを目指すのはもちろんですが、特に、今期は、「ひとりでもみんなでも楽しめる」任天堂の2つの看板ソフト、
5月末発売のシリーズ最新作『マリオカート8』と、