こちらは、アメリカにおける据置型ハードの販売数の4年間の推移です。2006年末までに新しいハード3種類が出揃い、昨年、今年と、据置型ハードの販売台数は大きく伸びています。ハード台数全体としては昨年対比で23%の伸びですが、Wiiが昨年対比で50%伸びて、市場の成長に大きく貢献しました。
こちらはヨーロッパの販売台数です。グラフの見やすさよりも、アメリカとスケールを揃えることを優先してお見せしていますので、少し見にくいかもしれません。こうしてみると、携帯型ではほとんど市場規模でアメリカと肩を並べたヨーロッパも、据置型では、まだアメリカの市場規模との差がかなり大きいことがよくわかります。
ヨーロッパでは、ハード台数全体としては昨年対比で38%増とアメリカ以上に伸びております。特にWiiは昨年対比で70%伸びて、市場の成長に大きく貢献しています。ヨーロッパでもWiiが最も売れているハードという点は同じですが、マーケットシェアが5割を超えているため、市場における存在感はアメリカ以上に大きくなっています。
こちらは、ソフトの販売本数の推移です。昨年は、据置型ハードの販売台数は大きく伸びたのにもかかわらず、ソフトの市場規模はほとんど拡大しませんでしたが、今年は、Wiiのソフト市場が昨年の2.7倍以上に一気に拡大したことで、大きく伸びました。ちなみに、今年4月にはグランドセフトオート4というタイトルがPS3とXbox360で発売されています。しかし、Xboxのソフト市場規模には劇的な変化が見られておりませんし、PS3ソフトは昨年対比で大きく伸びていますが、PS2ソフトの落ち込みでその効果が相殺されていることもわかります。
ヨーロッパにおいても、昨年は、据置型ハードの販売台数が伸びたにもかかわらず、ソフトの市場規模はほとんど拡大しませんでしたが、今年のWiiソフト市場の伸びは、アメリカを超える昨年の3.3倍以上と劇的に拡大したことにより、全体としては、昨年対比28%増と大きく伸びました。ヨーロッパでもグランドセフトオート4がこの4月に発売されていますが、ソニーさんやマイクロソフトさんのプラットフォームをあわせた市場規模は、前年対比マイナスになっていますから、市場の成長はWiiのソフト販売増によってもたらされたと言えると思います。
しかし、ハードと同じく据置型ソフトでも、ヨーロッパの市場規模はアメリカに比べてまだ約半分となっており、携帯型ソフト市場規模がアメリカ市場に匹敵するほどに成長している状況とは好対照と言えます。
アメリカのソフト市場全体は、このように年々拡大し、今年も昨年以上の比率で伸びました。
昨年まで携帯型、特にDSを中心に伸びていたソフト市場に、今年はWiiの大きな伸びも加わり、ソフト市場が大きく伸びていることがわかります。
そして、ヨーロッパでは、昨年まで、DSの急激な伸びで、ソフト販売全体の中で携帯型ソフトの占める割合が非常に大きくなり、ほとんど1:1に近くなってきていましたが、今年はWiiによる据置型ソフトの市場拡大で、再び据置型の市場の割合が大きくなりました。これらの推移を見ますと、ヨーロッパ市場の特性は、携帯型市場を中心に拡大した日本の市場と、据置型中心のアメリカの市場の中間に位置するということが見えてきます。
ソフト全体を3社のハードメーカー別のシェアの推移で見ますと、ヨーロッパでは、さらに劇的な変化がおきていることがわかります。ソニーさんやマイクロソフトさんのプラットフォームの市場規模にはこの4年間の間、大きな変化はありませんでしたが、任天堂だけが市場規模を約4倍に拡大し、それが、市場全体の成長をドライブしている構図がはっきりと見えてまいります。