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2008年10月31日(金)経営方針説明会/第2四半期(中間)決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

自分専用のDS、「マイDS」にしていただく狙いのもとにつくられたものです。
ちなみに、ゲームに詳しい方、熱心な方ほど、「いや、携帯ゲーム機ってもともと自分専用のものじゃないか」というふうに思われる想いが強いんではないかと思います。今日お集りの方々の中にさえ、そう確信してらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、現実には、「ゲーム機は家庭内で複数のお客様に共有されている」ということは紛れもない事実です。


これは、当社が調べている、世帯あたりのDS所有台数と、DSを触ってくださっている1世帯あたりの平均のお客様の数である世帯あたりユーザー数の比較です。世界の5ヶ国で調べました。ご覧のとおり、ここには大きなギャップがあります。
もし、このギャップを埋めることができれば、大きな新規需要が生まれることになるわけです。
もちろん、まだDSを1台もお持ちでない世帯に、DSの魅力を認めていただいて、お客様になっていただく努力は今後も続けてまいります。しかし、同時に、「一家に1台」から「1人に1台」への流れ、すなわち、既にDSをお持ちの世帯に、DSを触っていただいているお客様の数に応じたDS本体を普及させる努力をする、ということも、あわせて行っていきたい、それが私たちの目指す、次なるチャレンジです。


その意味で、ゲーム人口拡大の次のステップとは、「ニンテンドーDSを家族で共有していただくものから個人で所有していただくものに変えていくこと」と言えます。だからこそ、ニンテンドーDSiのような仕組みが必要になるわけです。


以前、DSを「所有者の生活を豊かにするマシン」にしたい、ということをお話ししたことがあります。そのスタイルで、DSiを定義するとすれば、「所有者の生活を豊かにする自分専用のマシン」ということになると思います。
このニンテンドーDSiを自分専用にするための鍵を握るのが、ニンテンドーDSiウェアです。


ニンテンドーDSiウェアは、ニンテンドーDSiに内蔵された256Mバイトの本体保存メモリに格納し、DSiに内蔵して持ち歩ことのできるコンパクトなソフトで、ニンテンドーDSiショップを通じて、ダウンロード販売されます。
DSiウェアの詳細については、12月下旬のサービスインに向けて順次公開してまいりますが、今日は、そのラインナップの一部を少しだけ公開したいと思います。


これは、私たちが「ArtStyle」と名付けた、新作のパズルゲームのシリーズです。4つの画面がありますが、これは全て別の商品です。
ある程度成熟したゲーム市場において、全く知名度のない新作のパズルゲームが受け入れられることは非常に難しくなりましたが、DSiウェアとして手頃な価格で入手でき、かつDSi本体に内蔵して持ち歩くことができれば、今のゲーム市場でも、完全新作のパズルゲームが受け入れられる市場が生み出せるのではないか、ということで、当社としてチャレンジしようとしているものです。


「ArtStyle」はDSiウェア500として、6タイトルが制作進行中で、順次DSiショップを通じて展開してまいります。


ゲームボーイアドバンスやニンテンドーDSにはこれまでに発売した豊富なソフトウェアライブラリがあります。その中には、やり込み要素が強いミニゲームも多く含まれているんですが、そういうミニゲームを切り出して、DSiウェア200として販売するということにも取り組んでいく予定です。ご覧いただいているのは、2003年3月に発売されたゲームボーイアドバンスのソフト、初代の「メイドインワリオ」の中に入っていたゲームですが、こういう手軽に遊べてやり込めるゲームのライブラリも順次拡大していく予定です。


実用系では、任天堂のキャラクターを使った時計や電卓のようなものも検討しているんですが、 ご覧のような路線図も開発中です。
私も以前東京に住んでいて、東京の地下鉄は全部わかっていたんですが、最近は新路線がどんどんできてよくわからなくなってきました。この路線図は、糸井重里さんが主宰している「ほぼ日刊イトイ新聞」で発行している「ほぼ日手帳」用に制作された路線図を元に、DSならではの機能を強化してお届けする予定です。


このようなソフトをDSでパッケージソフトとすることは現実的ではありませんでしたが、DSiに内蔵するDSiウェアとして展開することで、ビデオゲームの応用はさらに広がることになるのではないかと思います。コンパクトなツール系を充実させ、自分好みにカスタマイズしたDSiを、いろいろな場所に持ち歩いていただけるようにしたいと考えています。



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