実は、ここでも任天堂の売上のシェアは拡大しています。
もちろん、市場シェアが拡大しているからといって、喜んでいる場合ではありませんし、これからの年末商戦期の3ヶ月で、いかにゲーム市場全体に勢いを取り戻すかが、極めて重要な状況になっています。
これは、イギリス、フランス、ドイツ、スペインの4カ国の実績を元にまとめたグラフです。
今年は、アメリカ以上に落ち込みが大きい推移となっていますが、これには一つ追加の要因がありまして、ポンドとユーロの為替レートが昨年に対して大きくポンド安に触れたため、ユーロに換算したときの金額が約480ミリオンユーロ減少していることも影響しています。
今年前半には、ゲーム業界全体がヒットタイトルに恵まれなかったことが、世界各地で市場規模を縮小させてしまった主たる要因になっていると私たちは考えていますが、では、任天堂プラットフォームのミリオンセラータイトルはどうなったかもご報告しておきたいと思います。
まずは、ニンテンドーDSです。
全世界の出荷ベースで100万本を超えたDSタイトルは、今年9月末までの累計で、任天堂・ポケモンのタイトルが5タイトル増えて42タイトル、ソフトメーカーさんのタイトルが6タイトル増えて60タイトルになりました。
Wiiについても、全世界の出荷ベースで100万本を超えたタイトルは、9月末までの累計では、任天堂・ポケモンのタイトルが3タイトル増えて21タイトル、ソフトメーカーさんのタイトルが7タイトル増えて43タイトルとなりました。
Wiiでは、サードパーティのソフトが売れていない、ということが、良く語られているために、意外に感じられることかも知れませんが、DSの発売から3年強が経過した2008年3月時点でのDSのミリオンタイトルの数が、自社29、他社さん28であったことと比較すると、現時点でWii発売からまだ3年が経過していない状況ですから、特に他社さんのミリオンタイトル数が出るペースがWiiの方がかなり早いということもおわかりいただけると思います。
これは日本市場の状況です。毎週、メディアクリエイトさんのデータをご覧になっていらっしゃる方も多いと思いますが、今のWiiの状況(水色の部分)は決して健全とは言えません。
夏商戦で、一旦勢いを得たように見えましたが、その後勢いを維持できず失速し、また、値下げの効果も、世界の中で最も弱い状況と言っても良いかも知れません。任天堂の強みを活かして年末商戦期にWiiの勢いを回復することが急務であると感じています。