株主・投資家向け情報

2009年10月30日(金)経営方針説明会/第2四半期(中間)決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

DSについては、この夏商戦までは、前年並みの推移でしたが、それ以降は好調に推移していると感じています。
ドラゴンクエストIXだけではなく、トモダチコレクション、ポケットモンスターハートゴールド・ソウルシルバーと、ターゲットの重ならないヒットソフトが複数存在していることが、好調の要因になっていると思います。


これは、昨年と今年の1〜9月のNPDのデータを元に、アメリカ市場で毎月1週間あたり、Wii、PS3、Xbox360がそれぞれ何台売れているかを示すグラフです。特に4月以降のWiiは、前年を大きく割り込んでいます。
今年9月には、3つのハードがそれぞれ値下げされました。PS3が5週間フルに値下げ後の効果が反映されているため、値下げ後1週間分しかデータに反映されていないWiiを上回るまでになりました。
NPDは毎月1回しかデータが更新されませんので、10月に入ってからの他社さんのプラットフォームの状況は正確にはわかりませんが、Wiiは、もちろん9月よりも伸びそうですが、残念ながら昨年の実績にはまだ追いついていない状況です。今年の年末商戦の始まりは例年と比べてかなり遅くなると言われていますので、感謝祭とクリスマスのピークをいかに最大化するか、ということが大切になりそうです。


これは、アメリカにおける、昨年と今年のDSとPSPの毎月の販売数を比較したものです。 薄い色が昨年、濃い色が今年です。DSは昨年対比でプラスで推移しており、好調を維持していると言えると思います。
アメリカでは、DSによるゲーム人口拡大が本格的に始まったのが世界で最も遅かったことと、もともと、市場の変化がゆっくり進む市場の特性と相まって、日本やヨーロッパよりもDSの勢いが今は維持されています。


これはヨーロッパの据置型ハードの販売状況です。
PS3の値下げ効果が一服した後、Wiiの値下げがあり、直近ではWiiがトップシェアに返り咲いています。とは言え、ヨーロッパにおいても季節性による市場の盛り上がりは、やはり例年に比べて遅い印象があり、現時点での週販の販売数は昨年の水準にはまだ届いていません。


これは、ヨーロッパの携帯型の推移です。
ヨーロッパでは、昨年6月以降の夏商戦が非常に良かったのですが(薄いピンク色)、今年はその実績を下回っている状況が続いています。
4月のDSi発売もあって、5月頃までは前年実績を上回っていたにもかかわらず、先ほどお話ししたように9月までのDSハード販売数が前年を下回っているのは、この夏商戦の盛り上がり不足が要因となっています。


これからのWiiの販売を見通す上では、7月の決算説明の際にご説明したように、Wiiの勢いを取り戻すために、今年の有力タイトルがある。その有力タイトルが機能しているのか、既に市場に投入した、Wiiスポーツリゾート、Wii Fit Plusが、それぞれ期待通りに推移しているのか、ということが非常に重要なポイントになると思います。


まず、Wiiスポーツリゾートについてお話しをします。


これが、日本、アメリカ、ヨーロッパでの発売以来の販売推移です。9月末での出荷本数は697万本、実売本数もこの3地域だけで500万本を超えており、1000万本以上を狙うソフトとしては、まず順調に推移しています。
ただ、昨年は、マリオカートやWii Fitなど、1000万本を超えて売れ続けたソフトを目にしているので、何か、物足りなく感じられるかも知れません。


事実、2007年12月に日本で、アメリカ、ヨーロッパで昨年春に発売された、初代のWii Fitと比較すると、


こういう推移になっていたわけで、Wiiスポーツリゾートの販売が見劣りして感じられるかも知れません。
そこで、両者を同じ時間軸で比較してみました。




このページの一番上へ