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2009年10月30日(金)経営方針説明会/第2四半期(中間)決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

これが、その最新状況です。
ヨーロッパでの売れ方は、脳トレの次の一本として完全に受け入れられた売れ方で、現地の業界関係者も驚いています。


このため、シリーズ2作目の悪魔の箱についても、非常に期待された状態で発売されました。先ほどと同じく、左下がアメリカ版、右下がヨーロッパ版です。


発売されてまだ日は浅いのですが、アメリカも決して悪くはない状態です。アメリカは物がゆっくり長く売れるマーケットですので。しかし、ヨーロッパでは、完全に「脳トレ」ユーザーの次の一本として、このシリーズが定着した手応えがあります。


日本では、特筆すべき売れ方をしたのは、トモダチコレクションというソフトです。
初回受注10万本に過ぎなかった無名の新作ソフトが、既に実売数で140万本を超えているわけですが、その面白いところは、その売れ方です。


毎週の売れ方なんですが、いろいろなソフトと比べてみました。スケールをちょっと変えてみると面白いことが見えてきます。


もちろん、DSにはトモダチコレクション以上にたくさん売れたソフトがたくさんあります。しかし、発売の17週間後、18週間後という発売から4ヶ月以上が経過してから、そこが商戦期でもないのに毎週これだけ売れ続けるソフトというのはほとんど例がありません。過去の売れ方では、どうぶつの森ともっと脳トレという500万本級の売れ方をしたソフト以外にはこれを上回っている推移をしているソフトはない状況です。昨年はリズム天国ゴールドがロングセラーになりましたが、初動はそれほどでもなかったこのソフトが、それを追い越しそうな勢いで推移しているわけです。


ちなみに、発売週の販売を100%として毎週の販売推移を見ると、同種の売れ方をしているのは、初代の脳トレのソフトだけでした。他に一切こういうソフトは見つかりませんでした。
これから、どのような推移をするのか、どこまで伸びるのかが、大変楽しみなソフトになりました。


10年前の1999年11月にポケットモンスター金銀が発売されました。10年の時を超えて今年、リメイクされて、ポケットモンスターハートゴールド・ソウルシルバーとして復活しました。
ポケウォーカーというモンスターボール型の遊べる歩数計を付属し、付加価値も高めて発売したこのソフトですが、従来のリメイクの常識を越えた売れ方になりました。


これは、クラブニンテンドーに製品を登録されたお客様の、年齢や性別による偏りを表すレーダーチャートです。中央の紺色の円は、標準的なクラブニンテンドーのお客様の割合に沿っている登録数を指し、青色は男性を、赤色は女性を表します。円の外に飛び出ているところは登録者の方の割合が多く、円の内側は登録者の割合が少ないことを表します。 今回のポケモンハートゴールド・ソウルシルバーが非常にユニークなのは、お客様の年齢構成です。
ただ、今回はポケモン金銀からちょうど10年が経過し、今の現役ポケモン世代の小学生のお客様以外に、大量のポケモンを一度卒業した高校生や19〜24歳のお客様が、このリメイクをきっかけに、もう一度ポケモンに触れてくださっていることがわかります。


同じ分析を、DSで最も売れたソフトであるポケットモンスターダイヤモンド・パールについて行ってみると、構造がかなり異なることがわかります。
高校生や19〜24歳の割合が異なる上に、ハートゴールド・ソウルシルバーでは高い割合で遊んでいただいている大人の女性が少ないことがわかります。
これを見ると、金銀のリメイクであるハートゴールド・ソウルシルバーには非常に大きなチャンスがあることがわかります。
海外では、ゲームボーイカラー時代のポケモン金銀が、最も数多く売れたポケモンソフトであり、そのときはアメリカやヨーロッパでもポケモンは社会現象でした。今でも、ポケモンは世界中で携帯型ゲーム機で最も売れるソフトの一つですが、特に海外ではかつてほどの幅広いお客様に支持されている状況ではありません。この金銀リメイクを海外に持っていくときに、この特長をうまく活かして、海外市場でのポケモンの再活性化を目指す、というのも、株式会社ポケモンさんと協力して、任天堂が取り組んでいくべきテーマの一つです。




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